職業実践専門課程と資格認定制度に期待
Posted on | 2月 8, 2016 | No Comments
職業実践専門課程を導入している理美容学校は多いが、これを資格認定制度に結びつけて、学校卒業後、就職先美容サロンで即戦力として活躍できるようにした制度がある。国際美容協会の美容着付師制度。
美容業界では、新卒美容師が美容サロンに就職しても3~5年程度アシスタントして働くケースが多い。このため十分な賃金、また社会保険への加入が難しいことなどから、離職する人があとを絶たない。これは一般社会では考えられない異常な情況といえる。このため美容業界では慢性的な人手不足に陥っている。
国際美容協会によると、美容学校在学中に資格認定を受けた学生は卒業後、2、3ヶ月で実際の着付業務に携わることができ、売上を上げる戦力となるケースもあり、この結果が給与や待遇面に反映され、離職を防ぐ、という。
2016年2月7日公表された国際美容協会の資料によると、美容着付師は、着付技能を審査・認定することで、着付技能者の技能を向上し、利用者の信頼性を得ることを目的にした制度で、初学者などにおいては、文部科学省が専門学校に定めた職業実践専門課程とも連動して、運用される。
この美容着付師は専門性を備え、かつ美容サロンでの実践に即した着付技能を認定することから、美容学校の学生が取得した場合は卒業後、着付の即戦力として活躍が期待される。
具体的な教育カリキュラムは、小紋の自装から留袖の他装までの着付技術を習得するための<着装1>と、美容サロンの営業着付全般の技術習得及び着付師資格取得のための<着装2>があり、各48時間の授業時間が組まれている。
認定審査については、公平性と高いレベルを維持するために、具体的な審査員の選出基準が策定されている。
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職業実践専門課程と資格認定制度を連動させた制度を構築するには、資格取得者を受け入れる美容サロン側の意見の反映と理解が前提になるが、着付に限らず、まつ毛エクステンション、ネイル、エステティックなどの分野でも導入されれば、就職後即戦力として働くことができ、離職を防ぐ手立てとなる。
また理容課程ではブライダルシェービングや、BBエステティックの可能性もありそうだ。
美容系の業態が多様化する昨今、理容師美容師の免許に付随する形での、技術、サービスなどについて、それぞれの資格認定制度があってもおかしくない。
資格認定制度は、透明性、公平性が求められるし、さらに社会的価値を高めるためには同じ技術の制度が複数あってはあっては価値が下がる。産学あげての取り組みが求められよう。
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