理美容サロンへの利用回数は増えるが低価格志向続く
Posted on | 2月 2, 2016 | No Comments
データが示す2015年の理美容市場
理美容サロンを利用する回数は増えたが、1回あたりの支払金額は低調で消費者の低価格志向は続いている。2015年の消費者物価指数、家計調査などの政府系経済統計が12月まで出揃った。
まだ年報としては発表されていないが、この2つの統計データと上場サロン企業の月次報告などから2015年の動向をみると…。
・消費者が理美容サロンを利用する回数(利用頻度)は増えた。
・1回あたりの支払金額(客単価は)は低調で低価格志向が続く。
理美容サロン業界全体としては、昨年まで続いてきた下降トレンドから抜け出し、横バイから僅かながら上昇トレンドの兆しがうかがえる、というのが理美容サロン業界の2015年の動向だ。
これを中・高級サロンに絞りこんでみると
・利用回数(客数)は減少傾向が続いている。
・1回あたりの支払金額(客単価は)は上昇傾向がはっきりしてきた。
理美容サロン業界は、社会の景気動向の影響をストレートに受ける業種である。
理美容サロン業界の動向を見る限り、いまの日本社会は2極化がいっそう進んでいるのがうかがえる。
少数の富裕層はよりよいものを求めて活発にサロンを利用する。これを価値消費と呼んでいる。
その富裕層(資産1億円以上)は増加しているものの、貧困層も増えている。年収200万円以下の貧困層は20代で50%程度、50代でも増加傾向にある。そして、中流といわれる層は減る傾向にある。
貧困層は低価格のものしか選択できない。中流層・富裕層は付加価値の高い理美容サロン(価値消費型サロン)を選択することもできるし、低価格のサロンも選択もできるが、データをみると、これらの層でも低価格志向がみられる。その一方で、理美容サロンで価値消費をする人は高額な支出をいとわない。
その結果、理美容サロン業界はいっそうの2極分化が進むことが予想される。価値消費型サロンとして生き残れることができれば、より高い収益性が見込めるが、消費者から厳しく選別されるのが現実である。
参考までに、各セグメント別の2015年の消費動向を家計調査をもとに紹介すると、
理髪(理容):利用回数は横バイ、支払金額は微増
パーマネント:利用回数は減少、支払金額は増加
カット(美容):利用回数は増加、支払金額は横バイ
という動向になる。
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