理美容店から客足を遠ざける消費税増税
Posted on | 6月 26, 2012 | No Comments
消費税増税法案が、民主党議員57人の反対票があったものの民主・自民・公明などの賛成多数で、先ほど(2012年6月26日午後3時過ぎ)衆議院で可決された。現行の5%から2014年4月に8%に、2015年10月に10%に引き上げられることになるが、理美容業界にも少なからぬ影響を受けそうだ。
昨年の東日本大震災後、理美容店の売上げは大きく落ちこんだ。ヘアカラーの施術中に被災したお客さんのコメントがマスコミに紹介されたりして、その後も続く余震に万が一を懸念して理美容店に行くのを避けたりする例も多かったようだ。この点では理美容よりエステティックの方が大きな影響を受けた。
総務省の家計調査などを見ても、昨年の3月以降の理美容サービスへの支出は大きく落ち込んでいる。
とくに高額費用の支出は控える傾向が強まり、高級理美容店の売上げはもちろん、一般サロンでも高料金メニューの売上げは落ちている。東日本大震災を契機に消費マインドが落ち込んだ結果だ。
消費税の増税は景気を悪くさせるという。値上げされる税率・税金以上に消費意欲を減退させる。その影響は高額商品や高付加価値サービスへの支出を控える傾向に現れる。
一般の物価よりワンテンポ遅れ、ようやく景気の持ち直し感が出てきた理美容サービスの景況が、再来年の増税を機に一気に減退する可能性が懸念される。
風評被害という言葉がある。悪いイメージによる消費者の買い控えだ。
同様に何かを契機に買い控えをすることもある。その契機が東日本大震災であり,今回の消費増税である。
その結果、消費者の多くが高付加価値サービスではなく、安い料金の理美容店を志向する。
もともと景気が長期にわたり低迷し、所得が減っている日本である。消費税の増税を機に、10分1000円の類いの理美容サロンだけが繁盛することになりかねない。
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