20代従業者が6割超す理美容業
Posted on | 2月 26, 2015 | No Comments
厚生労働省が2015年2月19日発表した平成26年の賃金構造基本統計調査によると、理美容業の従業者は20代に集中しており、全産業の平均と大きな違いがある。
理美容業では、全従業者に占める20代の割合は男性従業者61%、女性は62%になる。全産業では男性16%、女性24%なので、理美容業に占める20代の従業者は突出して多い。この傾向は恒常的で、理美容業は特異な業種といえる。
最大の理由は年齢層別の収入が30代以上になっても、全産業ほど増えないからだ。もともと全産業の平均より低い賃金水準なので、30代以降の、とくに男性美容師は独立するか転職しないと生活するのが難しい状況になる。
女性美容師も同様で、結婚を機に辞める人は多い。
美容業は人材不足が深刻さを増しているという。しかし、このグラフを見る限り、若手従業者は多くいる。新たな人材が集まりにくい状況なら、いまいる若い従業者が末永く働ける環境を整備すればいい。若い、つまり安い賃金で雇える間だけ雇用しようというのは虫のいい話だ。
30代の美容師が独立すれば、美容室は増える。オーバーショップ状態になり過当競争になるのは当然の帰結といえる。
データ(10人以上従業者がいる企業が対象)
全産業
男性従業者 1490万0270人
女性従業者 725万6280人
理美容業
男性従業者 9970人
女性従業者 1万8240人
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タグ: 賃金構造基本統計調査