木炭パーマとモンペの時代 戦時版よみうりが映す女性
Posted on | 10月 28, 2025 | No Comments
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『讀賣新聞』のコラム「編集手帳」で、焼失を免れた「戦時版よみうり」がデジタル化によって復活したことが紹介され、あわせて当時の読者投稿欄の一部が引用されていました。
「濃い化粧をしてモンペもはかず、首飾りをして通勤する女性がいる。女がこの見えを捨てなければ攻勢移転はできない」
これは、化粧を施し、おしゃれをして通勤する女性を批判した内容の投稿です。
「戦時版よみうり」は、1944年(昭和19年)3月1日から1945年(昭和20年)3月31日までの約1年間、戦局が悪化する中で発行されていました。この投稿からも、敗戦が色濃くなっていた戦争末期であっても、化粧やおしゃれを楽しむ女性が実際に存在していたことがうかがえます。
当時は、配給された木炭を隠し持ち、木炭パーマをかけに美容室を訪れる女性が多くいたとされています。現存する写真には、そうした女性たちが美容室の前に列を作る様子が写っています。都市部では、戦時下であってもおしゃれを楽しむ女性が一定数いたことは間違いありません。今回引用された投稿は、そうした姿を目にした読者によるものと考えられます。
「戦時版よみうり」は、戦意高揚や同調圧力の一翼を担っていた側面もありました。「編集手帳」の筆者は、そうした歴史的背景をふまえ、自省の意を込めて今回のコラムを執筆したとしています。
当時、おしゃれを楽しむ女性たちは、当時の価値観からすれば「非国民」とみなされたのかもしれません。実際にどの程度の女性がそうした行動をしていたのかは定かではありませんが、多くはなかった可能性があります。
しかし、逆説的にいえば、そうした「非国民」とされた女性たちがもっと多く存在していたなら、戦争の終結はもう少し早まっていたのかもしれません。
タグ: 木炭パーマ, 髪にまつわるエトセトラ

























