理容所10万台に減少、美容所は増加続く ―令和6年度衛生行政報告例―
Posted on | 10月 22, 2025 | No Comments
厚生労働省は2025年10月21日、令和6年度の「衛生行政報告例」を発表した。
理容所数は10万7,995件(前年度比-2,302件・-2.1%)、美容所数は27万7,752件(同+3,682件・+1.3%)となった。
また、理容所・美容所の重複施設は381件で、制度創設以来の最多更新を続けている。

理容所数は令和元年度に12万件を割り込み11万台に減少したが、この6年間でついに10万台にまで減った。
前年度比の減少数も連続して2,000件台となり、減少率は今年度初めて2%台に達した。
理容所数は昭和50年度(1975年度)から平成15年度(2003年度)まで14万台を維持してきたが、その後は緩やかな減少が続いている。
理容業界は高齢事業者が多く、新規参入者が少ないことから、今後も減少傾向が続くとみられる。
従業理容師数は19万4,531人(同-4,936人・-2.5%)で、前年度の減少数(-5,416人)に続き、減少が止まらない。このペースが続けば、来年度には19万人を割り込む可能性が高い。
1理容所当たりの従業理容師数は1.80人となった。
一方、美容所数は理容とは対照的に増加を続けている。
昭和45年度(1970年度)は11万件台だったが、毎年度増加を重ね、平成10年度(1998年度)に20万件台、平成30年度(2018年度)には25万件台を突破。
このままの傾向が続けば、来年度には28万件台に達する見込みだ。
ただし、令和3年度・4年度の増加率が2%を超えていたのに対し、前年度・今年度はいずれも1%台と伸びが鈍化している。
従業美容師数も増加傾向にあり、58万8291人(同+8523人・+1.5%)に増えた。
昭和45年度には21万人台だったが、昭和60年度(1985年度)に30万人台、平成16年度(2004年度)に40万人、平成27年度(2015年度)に50万人を突破し、再来年には60万人台に達する勢いだ。
1美容所当たりの従業美容師数は2.12人となっている。
理容と美容は業法上は別業種だが、類似したサービス業態でありながら、現状の勢いには大きな差が生じている。
将来的には理容業が美容業に吸収されるような構造的変化が進む可能性も否定できない。
理容・美容を合わせた施設数は38万5,747件、従業技術者数は78万2,822人で、理容の減少を美容の増加が補い、全体としては微増傾向が続いている。
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タグ: 理容施設数, 美容施設数, 衛生行政報告例

























