理美容業の売上、いまだ回復せず 経産省「サービス産業動態統計調査」2025年版
Posted on | 5月 26, 2025 | No Comments
総務省は2025年5月26日、サービス産業の実態を把握する基幹統計「サービス産業動態統計調査(年次)」を公表した。2025年1月より「サービス産業動向調査」と「特定サービス産業動態統計調査」を統合して実施されている調査で、業種別の売上や事業動向が把握可能な統計資料である。
公表された統計では、「理容・美容・洗濯・浴場」の中分類が取り上げられている。この中で、理容業と美容業の合計は全体の約8割を占めており、経済センサス(令和3年)のデータをもとにすると、理容が約20%、美容が約60%と推定される。よって、この中分類の動向は、理美容業の動きが大きく影響していると考えられる。
サービス産業全体の売上は2024年に入り、新型コロナウイルス感染拡大前である2019年の水準を超えた。一方、理美容業を含むこの中分類の売上は、2024年時点で依然として2019年比で10ポイント前後のマイナスを記録しており、完全な回復には至っていない。
理美容業は、新型コロナウイルスの影響によって一時的な営業自粛や利用者の減少などに直面し、以降も売上の回復が鈍化している。顧客の来店頻度や単価の減少が続く中で、2024年以降も厳しい経営状況が継続している実態が浮かび上がった。
このような状況から、理美容業の売上がコロナ前の水準に戻るには、さらなる時間を要するとの見方がある。業界内では、顧客のニーズ変化や物価上昇、人手不足といった構造的課題にも直面しており、従来の経営スタイルからの転換が求められている。
タグ: サービス産業動態統計調査, 売上調査, 総務省