老化肌は、表皮細胞のHSF1減少でおこる
Posted on | 3月 29, 2025 | No Comments
老化肌は、表皮細胞におけるHSF1(*)が減少することでおこることを発見した、とポーラ化成工業(ポーラ・オルビスグループ)が2025年3月27日、発表した。
HSF1 は、熱やUVなどのストレスによるダメージ時に、細胞を保護するタンパク質で、細胞を守る「ヒートショックタンパク質」というタンパク質群の司令塔といわれ、それらを活性化させることで、細胞を修復し、ダメージを軽減する。
また、HSF1は、ヒートショックタンパク質以外のタンパク質も制御し、代謝、炎症、細胞老化、コラーゲン産生など様々な生命現象に関与していることが明らかになっている。
HSF1のい減少は、老化肌のほかにも、皮細胞のバリア機能が低下し、肌表面の粗さにつながる可能性があることも発見した。さらに、ゲンノショウコエキスが、表皮細胞におけるHSF1を増加させることも発見した。
HSF1=Heat shock transcription factor 1
表皮のHSF1に着目
紫外線やストレスから細胞を守る保護因子「HSF1」は、細胞老化や炎症をコントロールするなど、細胞にとって重要な役割をもちます。さらに真皮では、真皮における重要な機能であるコラーゲン産生の働きを促進することが知られています。このことからポーラ化成工業では、HSF1が表皮においても重要な役割を果たす可能性があるとして着目しました。
表皮は肌の表層に位置しており、肌表面の状態には表皮の状態が強く影響します。肌表面の状態は、顔の印象を左右することが知られており、特に、肌の凹凸やざらつきのような粗さをなくすとたるみが軽減した印象となるなど、肌表面に留まらない変化をもたらすことが分かっています。そこで、表皮の重要な機能で、肌の凹凸やざらつきとも関係すると考えられる「バリア機能」に着目してHSF1の働きを解明したいと考え、研究を行いました。
HSF1はバリア機能に関わることが判明
表皮でのHSF1の働きを調べるために、HSF1の遺伝子発現量を人為的に減少させたところ、肌のバリア機能に関わる因子が複数低下しました(図1)。このことから表皮では、HSF1が低下するとバリア機能が低下し、これにより肌が外部からの刺激を受けやすくなる・水分が失われやすくなるといった影響が現れ、ひいては肌の粗さにもつながると考えられます。
また、加齢によってHSF1が減少することも確認しており、HSF1の減少が加齢に伴うバリア機能の低下と肌表面の粗さの増加に関与している可能性を見出しました。
HSF1の発現を増やすエキスを発見
表皮細胞でHSF1の発現量を増やすことができれば、肌の粗さの改善につながる可能性があります。そこで、表皮細胞のHSF1を増加させるエキスを探索し、ゲンノショウコエキスにその作用があることを見出しました(図2)。さらにこのエキスは肌内部に存在する真皮の線維芽細胞においてもHSF1を増やすことが確認されました。いつまでも若々しく健やかな肌を保ちたいと願う方々の理想の肌作りを支える新たな知見となることが期待されます。
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