美容サロン業界に不況風
Posted on | 3月 14, 2025 | No Comments
美容室、ネイルサロン、脱毛サロンなどの美容サロンの2024年倒産件数が過去最多を更新し、美容サロン業界は不況風が吹き荒れています。
美容室、ネイルサロン、脱毛サロン以外のアイビューティサロン、フェイシャルや痩身のエステティックサロンもよくない。倒産件数のデータは帝国データバンク、東京商工リサーチによるもので、負債額1000万円以上が対象です。1000万円未満の倒産や自主廃業を含めるとかなりな数があると推察できます。、
それぞれのサロン業界には業界独自の原因による経営不振がありますが、共通しているのは、コスト高、料金競争、人件費の高騰(人手不足)といえそうです。
美容室業界は、市場規模は飽和状態から縮小傾向に転じており、しかも慢性的な供給過剰で料金は上げにくい。ネイルサロン業界は、市場は拡大傾向にあるものの、参入障壁が低いだけにサロン数が急増し、料金競争が激しくなっています。脱毛サロン業界は販売・営業に問題があり、大手サロンの倒産が社会問題化するなど独自の問題があります。
倒産件数の最多を更新しているのは美容サロンだけではありません。飲食関係の倒産件数も増えています。倒産の理由は、物価高、人手不足、来店客数の減少リスクがある価格転嫁ができないことなどを上げています。一部の飲食業にはインバウンド効果はあるものの、倒産理由は美容サロンと同じです。
美容サロン、飲食業の倒産が多く発生している背景には、上昇する物価とそれに見合う賃金上昇がみられないことがあると思います。食料品などの基礎的品目への支出が増えれば、消費者は節約をせざるをえない。節約の対象になるのが美容サロンや飲食店です。これらの店へ消費者の足は遠のく。
さらに30年間のデフレ経済下で染みついた消費者の節約志向があります。物価上昇を上回る賃金上昇が数年続けば節約志向も治るかもしれませんが、大手企業を除いて労働者の賃金はそれほど上がっていません。
節約志向の表れとして、セルフで済ます人が増えていることも美容系サロンにとって気になるところです。一人で行うセルフ処理、あるいは家族や親しい人同士が行うホーム処理で済ませてしまう人たちが増えています。サロン経営に悪影響を及ぼしているのは間違いありません。
2025年、物価上昇を超える賃金の上昇を期待するしかないようです。
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タグ: 倒産件数, 理美容ラウンジ