「剃師」は髪結の当て字
Posted on | 1月 30, 2025 | No Comments
江戸時代、「剃師」は髪結の当て字として使われることがありました。
「剃師」は「かみゆい」ではなく、「そりし」と読めます。いまなら「そりし」というと、シェービングの専門職として理解されるかもしれませんが、江戸時代は、剃師と書いて「かみゆい」と読ませていました。
もともと髪結の仕事がおこった当初は、一銭職、一銭剃りともいわれてました。剃ることが中心の仕事だったからです。戦乱の世が続き、兜を被るために月代にするようになり、その月代を剃るのを主な仕事にしていました。髭を剃ったり、髷を結うのは付随的な仕事だったようです。
そんな経緯があって剃師と書いて、「かみゆい」と読ませたのだと思われます。
『江戸繁盛記』(寺門静軒)にも剃師が登場します。剃師だけでなく、女剃師と書いて「おんなかみゆい」を意味しています。
欧米の理容師ももともとは剃ることがメインの仕事でした。洋の東西を問わず、男性相手の理容の仕事は剃ることからはじまった。
そして、いまの日本では理容と美容は仕事にほとんど違いはありませんが、シェービングは理容の仕事とされています。そのシェービングもセルフで済ます人や電気脱毛処理する人が増えたいまでは、サイドメニュー的な存在になっています。
多くの国は資格面での理容と美容を分けていませんが、日本では昔の髪結と女髪結の名残りなのか、いまだに理容と美容があり、シェービングは理容の仕事になっています。
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