事業の多角化という選択肢
Posted on | 9月 25, 2024 | No Comments
供給過剰の美容業界にあって料金値上げは難しい。客離れの懸念が常にある。利益を上げるのは料金アップだけではない。多角化という手もある。
美容室の本業以外で収益を上げている美容室が四国にある。徳島県徳島市や香川県高松市に店舗を構えるヘアサロン「ORIGAMI」。
美容室のほか EC サイトの運営、ブライダルヘアメイク、フォトウエディング、JリーグクラブのPR、CMやスチール撮影などのクリエイティブに関する事業を多角化し、本業以外での収益を確保している。
所属スタッフは、子育て世代の女性が70~80%を占めるが、毎年、社会情勢を考慮し賃上げを実施。今年は、パート・アルバイト含む全従業員に対して5~10%のベースアップを実施した。
事業の多角化は、美容師が持っている情報、美容師が利用者から得ている信頼などの強みを活かし、現場の美容師が発案。これらの収益が全体の約30%を占める。美容師1人当たり月間売上高は直近8カ月平均で167万円になる、という。
「ORIGAMI」は賃上げ以外にも、福利厚生を充実させている。美容やライフスタイルなどの自分磨きに利用できる権利を年間5万円分支給したり、インテリアや家具の社割などで従業員へ還元している。その結果、勤務3年以内の離職は2019年以降発生していない。さらに、中途採用の求職者からの反応も良い。
料金アップができず、十分な賃上げができずに人手不足に陥る美容室が多い中にあって、事業の多角化という選択肢も有効といえる事例だ。
(情報提供/リクルート)
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