美容分野への応用も期待 培養皮膚の顔型ロボット
Posted on | 6月 30, 2024 | No Comments
ヒト細胞に由来する生きた培養皮膚(*)を持つ顔型ロボットが開発され、将来的には美容分野への活用も期待される、という。東京大学が2024年6月26日発表した。
東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内昌治教授と河井理雄(現ハーバード大学博士課程)らを中心とした研究グループは、人の皮膚細胞から作製した“培養皮膚”を利用し、細胞由来の生きた皮膚を持つ顔型のロボットを開発した。
人間の皮膚支帯構造から着想を得、生体組織と人工物とを接着する手法を考案、スムーズに接着された顔型のロボットは笑顔を作ることもできます。本技術は、生体機能を有するソフトロボットの活用の他、美容・整形医療分野での応用も期待される。
なお、この研究成果は2024年6月26日午前0時に国際学術誌「Cell reports physical science」にオンライン掲載された。
発表のポイント
・培養皮膚組織を人工物へスムーズに固定するアンカリング手法を開発しました。
・このアンカリング手法により、生きている皮膚に覆われた顔型の構造体として一体化が実現し、アンカーを移動させることで笑顔を作り出すことに成功しました。
・環境に優しい素材でできた、生体同様の感覚や自己修復能を持つソフトロボットとしての活用の他、美容・医療分野での応用が期待されます。
(*)培養皮膚
人やその他動物の皮膚細胞を体外で増殖し、作製される生きた人工皮膚のこと。従来は皮膚の研究や創薬試験、重度のやけどや傷への移植素材として用いられている。生体内の皮膚と同じく真皮細胞とコラーゲンからなる“真皮層”と、内部組織の水分量を保ち周囲の有害物質を通さないバリア機能を持つ“表皮層”の二層から構成される。
タグ: 人工皮膚, 東京大学, 美容サイエンス