アタマジラミがコロナ禍後に増加
Posted on | 3月 25, 2024 | No Comments
コロナ禍後、外国人観光客によるトコジラミが増えていますが、トコジラミほどではないものの理美容の仕事と関係の深いアタマジラミが増えています。
アタマジラミは、主に子供の頭に寄生します。子供は頭を寄せ合って遊ぶことが多く、子供同士で感染する可能性が高い。感染者の9割以上が0歳-11歳で、高学年になると生活スタイルが変わり、寄生する率は急減します。
アタマジラミの特徴は、
1)頭の髪の毛に寄生します。
2)切った髪の毛で長く生き延びることはできません(吸血しないと2~3日で死ぬ)。
3)頭皮(皮膚)には寄生しません。
4)病気を媒介することはありません
5)日本では、不潔が原因で寄生していることはまずありません。
成虫は2-4ミリほどで髪にしがみついています。
卵は0.5ミリほどで、後頭部や耳後部の毛髪の付け根に産み付けられていることが多い。孵化前の卵は淡褐色で、孵化後の殻は白い。一見すると細かいフケが付いているように見えます。(写真は、東京都豊島区池袋保健所の公開情報より)
痒みがある場合やアタマジラミの卵がたくさん付着している場合は親が気づきますが、無症状の場合は理美容室の理美容師が発見することもある。その場合は、親に知らせることになります。
駆除方法としては、
・専用のスキ櫛で丹念に梳いて卵、成虫を駆除する
・ピレスロイド系殺虫剤のフェノトリン含有の市販薬(パウダータイプあるいはシャンプータイプ)を薬局で購入し、説明書に従って使用する
・ジメチコン配合のローションタイプの市販薬を薬局で購入し、説明書に従って使用する
などの方法があります。(これらの方法は2024年時点での情報です。新情報を確認しましょう)
改善されない場合の最後の方法は、剃毛です。剃毛したうえで市販薬の処置をすればほぼ完全駆除できるといいます。ただし子供にとっては心理的な負担が大きいので、しゅうぶん配慮する必要があります。
また、アタマジラミに関する保健所の告知や皮膚科医のアドバイスは「不潔な生活をすることで発生する疾患ではないので、誤解や差別は禁物」と再三、強調しています。
なお、トコジラミは「シラミ」と呼びますが、トコジラミはカメムシで、アタマジラミとは別種です。
<参考/アタマジラミ以外の人に付くシラミ>
・ケジラミ
ケジラミは主に陰毛に寄生するので、主に大人に見られます。まれに、子どもの眉毛や、まつげ、頭髪に寄生する場合がありますが、極めてまれです。形態もアタマジラミとは全く異なります。
・コロモジラミ
コロモジラミは人の衣類(主に下着など)に寄生します。形態はアタマジラミにそっくりですが、コロモジラミは発疹チフスや塹壕熱などの病気を媒介します。主に衣類を洗濯しない(できない)、衛生的環境が得られない人に寄生が見られます。
このほか、動物に付くシラミがありますが、人に寄生することはありません。
(本稿は、主に保健所の情報をもとに記載しました)
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