女性の薄毛は、SNP「rs2419385」と関連
Posted on | 6月 9, 2023 | No Comments
薄毛と遺伝の関係はかねてから指摘されているが、女性の遺伝情報と頭髪に関するアンケート結果との関連解析による、女性の薄毛に関わるDNAの特徴が発見された。
日本メナード化粧品が2023年6月8日発表した。
1200人の日本人女性の遺伝情報と頭髪に関するアンケートとの関連解析したもの。
DNAの特徴を解析することで、薄毛になりやすい体質かどうかを予測できると考えられ、自身が薄毛になりやすい体質かどうかをあらかじめ知ることで、早期から対策することができる、という。
日本人女性1200人を対象にしたアンケートの結果、髪が薄くなったと感じる人は20代で10%以下だったが、加齢に伴いその割合が増加し、70代以降では80%以上にのぼる。さらに、アンケート結果と遺伝情報を組み合わせた関連解析により、女性の薄毛と関連性が高いSNP(*)として「rs2419385」を発見した。
rs2419385にはAAタイプ、AGタイプ、GGタイプがあり、AAタイプ<AGタイプ<GGタイプの順に薄毛になりやすい傾向にあることがわかった。
(*)遺伝情報のDNAは、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)という4種類の塩基で構成されている。ヒトの遺伝情報は約30億個のDNAの塩基配列で構成されており、この塩基配列には個人間で差がある。特に一つの塩基配列のみが人によって異なっている部分をSNP(Single Nucleotide Polymorphism、一塩基多型)と呼ぶ。ヒトのゲノムの中には約1000万箇所のSNPがあると推定されており、その塩基配列の違いが体質や病気のかかりやすさなどの個人差に関わると考えられている。SNPには、一つひとつにrs番号という世界共通のIDが割り振られており、女性の薄毛と関連性が高いSNPとして「rs2419385」を発見した。
なお、この研究成果は、国際科学誌「Journal of Cosmetic Dermatology」オンライン版に掲載された。
雑誌名: Journal of Cosmetic Dermatology
論文タイトル: A genome-wide association study identified a genetic variant associated with hair thinning in Japanese women
掲載アドレス: doi: 10.1111/jocd.15740
著者: 奥野 凌輔1, 2, 五十嵐 敏夫1, 長谷部 祐一1, 2, 堀田 美佳1, 2, 長谷川 靖司1, 2
所属: 1 日本メナード化粧品株式会社 総合研究所
2 名古屋大学大学院 医学系研究科 名古屋大学メナード協同研究講座
タグ: 日本メナード, 薄毛, 薄毛遺伝子