物価上昇と理美容店の料金アップ
Posted on | 2月 14, 2023 | No Comments
物価高騰の波が押し寄せています。理美容店は原価比率が低い理美容店ですが、生活防衛のため料金改定を検討している店が増えています。
日本政策金融公庫が昨年末公表した料金動向調査では約四分の一を超える理美容店が、今年の料金改訂を予定していると回答しています。
物価が高騰しても賃金が同様に上昇すれば別段問題がないのは、『物価とは何か』(渡辺努・著)でスーダンの例をあげて紹介してます。諸物価も賃金も同レベルで上昇したスーダンでは、何の混乱もなかったそうです。いまの米国も同様かもしれません。価格変更の手間がかかっただけだったといいます。
日本でも物価上昇分に見合う賃金上昇があれば、いいのですが、そうでない場合も考えられます。
理美容店の客は、美容意識が高く、おしゃれに高感度な美容ファーストの客もいれば、身だしなみ目的の客がいます。このほか年に1回も利用しない人もいます。
美容ファーストの客は他の物品やサービスを抑えても美容への支出は惜しまない人です。こういう客を多く顧客にしている店は料金を値上げしても、受け入れてくれると思います。
身だしなみ目的で理美容店を利用している客は、生活防衛からまず来店間隔を伸ばすのは想定されるところです。さらに、より安いメニューで済ませたり、より安い店に変更する可能性もあります。
理美容店の料金アップを俯瞰してみると、高付加価値のサービスを提供し美容ファーストの客が多いトレンドサロンなどは影響が少なそうです。いまが料金アップのタイミングといえます。
コアサービスを提供するカット専門店やヘアカラー専門店は、来店間隔はのびそうですが、身だしなみ目的の客が一般の理美容店から流れてくる可能性は高い。これらの業態店も値上げの影響はプラスになる可能性が高い。
また、理美容店を利用せずにセルフで済ませてしまう人も増える可能性は高い。結局、一般の理美容店がマイナスの影響を受けることになりそうです。
というのが本欄の見立てです。
この見立ては、賃金が物価上昇並みに上がらなかった場合の話です。
大多数を占める中小企業従業員の賃金が物価上昇並みに上昇すれば、前述のスーダンの話と同様、料金表が変わっただけになるのでしょう。
料金を10%値上げしても客数、来店頻度が変わらなければ10%の増収になりますが、客数、来店頻度が10%下がれば現状のままです。かといってこのままでは生活防衛が厳しくなるのは確かです。
一般の理美容店にとっては難しい状況です。
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