理容店とヤクザ・マフィア
Posted on | 12月 29, 2022 | No Comments
理容店は、髪をカットしながらリラックスできる空間なので訪れる客は心も解放され、ひと時を楽しみます。しかし、それが災いして事件の舞台になることがあります。
理容店での事件といえば日本ではヤクザ、欧米ではマフィアの抗争です。
1957年、マフィアの死刑執行人として恐れられていた、アルバート・アナスタシアがニューヨーク・マンハッタンにあったパーク・シェラトン・ホテルの理容店で、シェービングで熱いタオルで髭を蒸している最中に襲われ即死した事件が有名です。マフィアが活発に活動していた戦前戦後は理容店を舞台にした襲撃事件は多発したといわれています。
マフィアの抗争を描いた『ゴッドファーザー』(写真はオリジナルポスター)にも理容店が登場しますし、このジャンルの映画には理容店がしばしば登場します。映画では理容店で襲われ白い刈布に真っ赤な血が滲むシーンが象徴的に描かれる場面があります。
理容店では、客は無防備になるので襲いやすい、という暗黙の了解があるようです。
理容店を舞台にした襲撃事件は日本でも起こっています。
新しい事件としては、2022年10月に「神戸山口組」から脱退した「池田組」の池田孝志組長が、神戸市の理容店で襲撃されています。この事件では襲撃犯が逆に近辺警護していた池田組の組員によって返り討ちにあい、店内は血の海だったと、地元紙などが伝えています。
暴力団の幹部や組員も理容店を利用します。場所柄にもよりますが、その筋の人のご贔屓になり、〇〇組御用足し的な理容店が昭和の時代にはありました。
そんな理容店店主の仄聞になりますが、その筋の客は金払いもよく、しかもまめに来店してくれる上客が多いといいます。その筋の人が選ぶ店は、腕のいい店主の理容店が多い。
当初はその筋の人とは知らずに上客の一人として応対していたところ、その人の部下を称する人がやってくるようになり、何人かは明らかにその筋の人とわかり、ぞの上客が組関係のトップと知ったといいます。
平穏なときならいいのですが、どこかの組ときな臭い状態になると、その上客とともに警護の部下も客待ちに詰めるようなります。その筋の人が居並んでいては一般客は入店をためらいます。月に1度ぐらいとはいえ、店主は困った。
その店は代変わりして、その後のことはわかりませんが、そんな話は昭和の時代の話かと思っていたら、令和の時代にも理容店を舞台にした抗争事件が起こったのは驚きです。
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