南極観測隊の理髪係
Posted on | 11月 30, 2022 | No Comments
2022年11月11日に出港した、第64次南極観測隊を載せた観測船「しらせ」には、隊員の髪をカットする「理髪係」が乗船しています。
観測隊に同行するテレビ朝日の吉田遥さんのレポート(テレ朝news、2022年11月19日配信)によると、今回の理髪隊は、井上彩さん(産婦人科医、市立宇和島病院)を理髪係長に、戸田仁さん(総務省北海道総合通信局)、瓢子俊太郎さん(北海道大学大学院環境科学院)の3人です。
観測隊は越冬隊28人、夏隊52人で編成されていますが、理髪係の3人はいづれも越冬隊。
3人は都内の美容学校で、カットやパーマなどの基本的な技術を半日かけて学んだそうです。国家資格を取得するには2年間かけて勉強しなけばなりませんが、わずか半日で修得するのは手先の器用な人でもハードルは高い。髪をカットされる隊員も不安ではないかと余計な心配をしてしまいますが、記事は理髪係にインタビューし、意気込みなどを面白く紹介しいます。
観測隊には医師は「理髪係長」の井上さんを含め2名が乗船(いづれも越冬隊)していますが、理髪担当は速習した隊員の兼務になります。速習しただけで国家資格がない人が理容美容の業務を行うのは理容師法美容師法違反かというと、そんなことはありません。
理容美容行為を料金を受取り業務として行ったら違反になりますが、無料で、なおかつ特定の人、つまり隊員のみを行うのであれば法に問われることはありません。家庭で家族同士で理容美容行為をするのと同じ扱いです。
このへんが同じ国家資格でも医師や運転免許とは違うところです。
むかし「美容師法は偉くない」と嘆いた美容連合会の元理事長がいましたが、残念ながら効力の及ぶ範囲では偉くないのです。
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