美容業界のネガティブ３Kを、ポジティブ３Kに

Posted on | 9月 29, 2020 | No Comments

３Bってご存知でしたか？
彼氏にしたくない職業として、バンドマンとバーテンダー、美容師があがっていて、女性雑誌や漫画、ドラマで、３Bとか、３B男子と書かれていることを、最近初めて知りました。
お恥ずかしながら、そんなことを業界外部から言われているなんて、露とも知らずにおりました。

今回、インタビューさせていただいたASAHIさん(石栗旭さん)は、美容師を３Bから抜く活動を、フリーランスとしてされてます。
どんなビジョンを描いておられるか興味がわき、ズバッとまずお聞きしてみました。

――　美容業界を３Bから無くす男として活動されているとお聞きしました。３Bという言葉は、どれぐらい前からご存じでしたか？

ASAHIさん　美容学校へ入る前から、そういわれているのを知っていました。
３年で80%辞める業界だとか、親から辞めとけといわれる職業だとかも聞いていました。
でも、僕は美容師になることが夢だったんで、「そんなこと言わないでくれよ」っておもってました。

――　　それでも、美容学校へ進まれたのですね。

ASAHIさん　中学のときに、美容師ってキラキラして格好いい仕事だとおもったのがきっかけです。だから、美容専門学校へ行きました。もともと、実家が建築業だったので、ものづくりに興味がありました。でも、黙々と物を作るだけでなくて、接客もしたいなという気持ちもありました。自分の手でカタチをつくる美容師って、ものづくりも接客も両方できますよね。なので、３Bと言われていると聞いても、迷いはありませんでした。

――　美容業界へ行こうって決めたときから、フリーランスのキャリアを目指されてたのですか？

ASAHIさん　いえ、そのときは、まだフリーランス美容師って、「経歴も長くてすごく出来る腕のいい美容師が、自分のお店を持ってオーナーになる寸前に、店舗工事が完成するちょっとの間だけ、間借りしている人」だったんです。つまり、ほんと10年以上やってるベテランでないといけないし、また、ずっと続けるポジションでもない、とそんな風におもっていました。だから、美容学校卒業後は、ふつうに就職しました。

――　フリーランスに興味をもたられたのは、何がきっかけだったんですか？

ASAHIさん　新卒で採用してもらったところは、カリキュラムがしっかりしているところだったので、他のサロンへ行った同期よりもはやくスタイリストになり、すぐお客様も担当させていただいて、売り上げも順調にのび、気持ちは充実していました。人間関係もすごく居心地のいいところで、ストレスはなかったです。

そんななか、勤めて１年ぐらいしたとき、まわりで、フリーランスになってゆく美容師がでてきてて、最初はなんだろーっておもってたぐらいだったんです。
でも、そのフリーランスになっていった美容師をみていて、これはすごいと、がぜん興味をもったことがきっかけでした。

すごいとおもったことのひとつは、お客様との接点をすごく長くもつことができるという点です。大型サロンだと生産性をあげるのに、チームでとりくみます。するとお客様との接点がどんどん少なくなってゆくんです。これが、実は僕は寂しかったのです。売り上げが上ればあがるほど、僕を指名してくださるお客様との時間がすごくすくなくなってゆくんですよね。生産性をあげるためには必須のことで、理にかなったことだとわかっていました。でも、それでも、僕を指名して予約していただくのに、カットさせていただく時間だけが、お客様との接点って、なんだか寂しいなってすごく感じてたんです。

もひとつすごいとおもったことは、生き方がすごく自由だなってことだったんです。魅力的にもみえました。ちょうどそのとき、美容師でない友達となかなか会う時間がほんと少なくて、気軽に声をかけて、ご飯を一緒に食べに行こうって誘えませんでした。自分の時間をつくるのが難しかったのです。

――　フリーランスになってみて、いまのご自身は、「なりたいな」とおもってた時と比べて、違いはありますか？

ASAHIさん　ないですよ。フリーランスになったことで、やりたかったことが叶っています。たとえば、お客様との時間も濃くなりました。これは、接客する側の自分がただ納得してるだけでなく、お客様からも、たとえば「シャンプーの後、スタンリストがくるまでもうすこしお待ちくださいって待たされてた時間が、寂しかったから、それが無くなってよかった」となど、声をいただくようになりました。

また、時間がもっと欲しいと思うこともなくなりました。帰りたいときに帰れて、休みたいときは休める。寝たい時間までねることができ、友達とごはんにもいけます。勤めてた時は、休みは、ほんとに、疲労感を抜くためだけにずっと寝ていましたが、いまは、休みの日に、友達とごはんも食べにゆけます。

（取材日　2020年8月28日）

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