インディアンの悲劇
Posted on | 1月 13, 2020 | No Comments
脱毛は若い女性に限らず、美意識の高い男性もしています。脱毛をする、しないはあくまでも個人の趣向ですが、部族の風習として脱毛していたのが、アメリカ・インディアンです。
インディアンのことを最近はアメリカ大陸の先住民(アポリジニ)として、ネイティブ・アメリカン、あるいはアメリカン・アポリジニということが多い。インディアンは細かくわければ100を超す部族があり、アメリカ大陸に広く分布していましたが、その多くに脱毛の風習があったといいます。
脱毛の仕方、使う器具は部族によってさまざまで、たとえばナチェス族(ミシシッピ下流域)は二枚貝や銅製の毛抜、サンポイル族(ワシントン州東部)は木製や骨でできた毛抜、アシニボイン族(カナダ南部から米国北部)は針金を加工したような超小型の毛抜を使っていました。二枚貝はギリシア、ローマ時代の古くから利用されていた脱毛器具の定番アイテムです。
男性はヒゲを、女性は首から下の体毛をすべて脱毛していたといいます。脱毛する理由、目的は諸説ありますが、よくわかっていません。
アメリカ大陸にコロンブスが到達したのは15世紀末(1492年)、1607年には英国がヴァージニア植民地を設立しています。インディアンに遭遇した白人はインディアンの肌がすべすべなのに驚きました。当初は、脱毛していたとはわからずに、人種的な体質、個性と考えたようです。
18世紀、19世紀にかけて西部開拓がすすみ、自分達の土地が奪われるインディアンは抵抗します。しかし、ライフルと弓では勝負になりません。大虐殺が行われました。虐殺を正当化する理由の一つとして、体毛のないインディアンは白人とは違う別の人種で、しかも劣る人種とされたからです。米国に連れてこられた黒人も肌の色の違いから同様に理解され、長く差別されることになります。
インディアンは悲しい歴史に包まれています。その原因の一つに脱毛の風習があったのかもしれません。
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