理容組合員の給与は年間200万円未満が半数
Posted on | 3月 24, 2019 | No Comments
全理連は昨年8月に組合員を対象に調査した「全理連統計年報」(第54集)を2019年3月発表。回答した組合員の年齢は60代以上が68%を占め、高齢化が進んでいる。
30代の組合員は2%にとどまり、組合活動の先細りが深刻に懸念される。
また経営規模は、従業者1人(経営者のみ)が33%、2人が38%だった。従業者は経営者である組合員とその家族で営業している店舗が大半で、家族従業員以外の従業者については75%が雇用していないと回答。
売上については「減少した」が57%と低迷し、その結果、組合員の年間給与は200万円未満が51%を占めるなど苦しい状況にある店が多い。
【主なサマリー】
店舗の状況編
・経営店舗数は、「1店舗」が98%となった。
・経営している理容店の所在地は、「大都市」から「郡部」に至るまで、多様なエリアの回答があった。
・理容店の所有状況については、「土地・建物とも自己所有」が75%と圧倒的に多かった。
・理容店の面積については、「7-10坪未満」34%、次いで、「5-7坪未満」「10-15坪未満」が2割程度となった。
・理容店が「住宅地」内にあると回答した人が約5割と最も高く、次いで、「商業地(商店街)」が2割程度となった。
・実稼働椅子台数(設置椅子台数-遊休椅子台数)は、「1台」が圧倒的に多い傾向。
現状サービス・営業編
・理容店で扱っているサービスで、は、「調髪」「パーマ」「顔剃り」「カラーリング」「カット」等は7割以上の店で扱っている。
・固定客の比率については、「90-100%」が約5割を占め、次いで、「80-90%未満」が25%となっている。
・女性客の比率については、「1-5%」が半数を占め、「O%」は約1割となっている。
・経営上、主力技術以外で最も注力しているものは、「接客」が圧倒的に高く、約8割となっている。
・今後の営業形態については、「総合調髪中心サロン」の方向で進めたいという回答が7割を占めた。
・自店の後継者については、「お店の経営を任せている」と回答した人は8%となった。
・後継者がいるとしている人で、「現在、店で従業中」「現在、他店で従業中」「理容学校に在学中」を合わせると21%となっているo
・低料金店についての意見では、「脅威に感じる」30%、「自店の営業には適さない」45%が多い意見となった。
従業者状況・経営状況編
・従業者の人数は、組合員を含めた平均が2.0人。管理理容師は、「1人」が47%、「2人」が31%。
・雇用従業者のうち、家族従業員の人数は、「1人」47%、家族従業員を除いた人数は、「いない」75%となっており、組合員とその家族で経営している所が多い傾向。
・1ヵ月分の給与金額は、「15万円未満」が44%で、平均金額は19.4万円程度となっている。
・1年間分の給与金額は、「150万円未満」が37%で、平均金額は209.6万円程度となっている。
・従業員がいる場合の各制度の有無について、「給与規定」38%、「雇用・社会保険の店主負担」30%で、あった。
・税務申告については、「青色申告」は83%、「白色申告」は14%となった。
・昨年度の営業利益との比較を聞いてみたところ、「減少した」が57%にのぼる。「増加した」については7%にとどまる。
・「減少した」主な原因としては、「客数の減少」が圧倒的に高く、約9割。
・訪問福祉理容については、「行っている」は44%、「行っていない」は50%と、ほぼ同じ割合となった。
・自店の今の問題点または今後の課題については、「新規顧客の獲得」44%、「地域の人口減少に伴う客数の減少」38%、「後継者がいない」37%であった。
【調査概要】
調査対象:理容組合員5000名
総回答数:1524票
調査期間:2018年7月30日~8月30日
調査方法:郵送、インターネット調査
タグ: 理容師の高齢化, 理容統計年報, 高齢理容師