客を誘引するような美容師のシェービングはＮＧ

Posted on | 4月 28, 2018 | No Comments

グレーゾーン解消制度で厚生労働省が回答
美容師は「軽い程度の顔剃り」を行うことはできるが、女性客の誘引を目的とするようなシェービングは理容師の業務範囲、とグレーゾーン解消制度で厚生労働省が回答した。

経済産業省は2018年4月27日、1月から3月までのグレーゾーン解消制度申請・回答などを公表。この中に「メイク＆シェービングサロン」が照会した「美容師による顔そりサービス」があり、それに回答したもの。

美容師による顔剃りは、昭和23年の公衆衛生局長通達（＊）で化粧にともなう「軽い程度の顔剃り」なら認められている。今回の照会は「軽い程度」の範囲を問うたものだが、照会では顔全体に行う、うぶ毛剃りについて尋ねた。

美容師が行える顔剃りは、化粧にともなうもので、具体的には生え際のラインの調整などが想定されている。技術の主体はあくまでも化粧、メイクで、美容師が行える顔剃りは、それに付随する程度の顔剃りとしている。
当然、顔剃りを主体とする技術サービスの提供は「軽い程度」外で、顔剃りのメニュー表示や看板表示なども不可としてきた。

化粧にともなう、うぶ毛剃りは「軽い程度」として従来より認められているが、今回の厚労省回答で、その範囲が顔全体に及び、その施術によって女性客を誘引する可能性のある場合は、「軽い程度」を超えていると解釈したものといえる。
しかし結局のところ、今回の厚労省の回答は､従来の見解を基本的に踏襲しつつも、グレーゾーン解消制度の回答にしては、ややあいまいさが感じられるグレーな回答といえる。

グレーゾーン解消制度による照会内容
「美容師による顔そりサービス」
「美容所において、美容師を雇用し、女性客に対して化粧とそれにともなう、うぶ毛剃り（頬や額を含む顔全体）を行わせるサービスが美容師法第2条に規定する『美容』に該当するか否かについて照会」（照会申請日：2017年12月28日）

厚生労働省の回答
「照会のあったサービスは『メイク＆シェービングサロン』と謳い『シェービング』を強調して行う事業であり、『軽い程度の顔そり』を超えたサービスを求める顧客を誘引することで、その結果、『軽い程度の顔そり』を超えた顔そりが提供される可能性があり、提供されるサービスが『軽い程度の顔そり』を超えた場合には、その行為は理容に該当することが明らかになった」（回答日：2018年2月28日）

（＊）厚生省公衆衛生局長通達
理容師法の運用に関する件
(昭和二三年一二月八日)
三）　化粧に附随した軽い程度の「顔そり」は化粧の一部として美容師がこれを行つてもさしつかえない。

美容師法第2条
(定義)
第二条　この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。

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