129職種中、平均年齢が最も若い理美容師
Posted on | 2月 28, 2017 | No Comments
厚生労働省が2017年2月22日に発表した「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、理美容師の賃金は、前年に比べ大幅に上昇しました。所定内賃金で2万5千円、年収ベース(決まって支給する金額×12月+賞与)も16万3000円と大幅アップしました。
とはいっても、同調査で調査対象になった129職種のなかでは、残念ながらまだ低位に甘んじています。
理美容師の年収は、男女計では287万6900円、男性は308万1900円、女性は276万2100円になります。これは、男女計では129職種中122位、男性は同125位、女性では127職種中92位です。女性を除き、賃金が低いワースト職種ベスト10に入っています。
年収が低いのには、賞与が大きく影響しています。6万1700円の年間賞与は129業種中、最低です。所定内賃金は大幅アップしましたが、次の課題は賞与の大幅アップということになりそうです。
「平成28年賃金構造基本統計調査」で、もう一つ気になるデータがあります。それは平均年齢が30.6才と、129業種中、一番若いことです。若いことは、決して悪いことではありません。新興の業種なら平均年齢が若いのは普通ですが、理美容業は成熟した歴史のある職種です。
一般的に、成熟した職種の平均年齢は高く、新興の職種は若いのが普通です。平均は40才前後になります。ただしこれは、年齢に応じて相応しい賃金が支給されていることが前提になります。
平成28年に30.6才だった理美容師の平均年齢ですが、平成18年は29.6才でした。ほぼ10年経って1才ほど平均年齢が上昇したことになります。というより、理美容師の平均年齢は30才前後で大きな変化がないのです。
独立志向の強い理美容師さんが多いこともあり、30歳前後で独立開業する人も少なくはないでしょう。しかし、近年は独立開業のハードルは高く、また独立したものの店をたたむ人も少ないといいます。
前述の年収では、30代、40代の生活環境を維持するのは難しく、独立開業の夢も果たせずに転職せざるをえない人もいます。
さいわい、美容師は若者に人気のある職種です。
多くの若者を迎え入れ、その彼らが30代でリタイアしたのでは、もったいない話ですし、見方によっては「若者を使い捨てる業界」といったブラックなイメージもついてまわります。
小規模零細な事業者が多い理美容業界ですが、近年、中規模サロンや数百人のスタッフを抱える大規模サロンが躍進しています。そんな大規模サロン、中規模サロンの企業に求められるのは、60才、これからは65才まで雇用し続けられる仕組みを作ることだと思います。
人手不足がいわれている理美容業界にあって、雇用した理美容師を生涯継続して働き続けられる仕組みづくり、システムを構築することが、企業間の競争を勝ち抜く決め手の一つになると思うのです。
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タグ: 理美容ラウンジ, 賃金構造基本統計