iPS細胞から皮膚再生、将来は脱毛治療も
Posted on | 4月 6, 2016 | No Comments
マウスのiPS細胞から皮膚の「表皮」や、毛を作り出す「毛包」など、皮膚の組織全体を作り出すことに理化学研究所などの研究グループが成功した、と2016年4月発表した。
世界初の成功で、表皮組織だけでなく、発毛や皮脂の分泌も可能な付属器も含めた再生が可能という。将来は、皮膚の疾患への新たな再生治療方法として、iPS細胞(人工多能性細胞)からの皮膚再生の開発をめざす。
NHKなどが4月2日報道した。
実験は、マウスの歯茎から採取したiPS細胞を胚様体と呼ばれる塊に形成し、これを複数、コラーゲンで包んでマウスに移植した結果、30日後には天然の皮膚と同様の構造を持つ再生状態になった。毛は皮下で立毛筋と神経組織がつながり、鳥肌現象も再現できた。
今回の実験は、iPS細胞をマウスに移植して再生させたが、人間にこの技術を応用するには、生体内移植なしでの皮膚器官系の再生などのハードルはあるが、10年以内にはこの技術を応用した臨床試験を開始したいという。
火傷や事故で皮膚を失った人への皮膚再生はもとより、将来的には、分泌異常からくる体臭や若ハゲの治療にも応用できるらしい。
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