女性美容師の産休後の復帰には周囲の理解が不可欠
Posted on | 2月 24, 2016 | No Comments
慢性的な人手不足に悩む美容業界にとって、女性スタッフが長く働き続けられる環境をつくるのが、労働力確保につながる。そんな女性が継続して働ける美容サロンづくりをテーマにしたセミナーが2016年2月23日開かれた。ホットペッパービューティーアカデミー(HPBA)の「女性スタッフが長く働き続けるサロンとは?」
HPBAでは昨年から美容業界の将来を見据えた「未来会議」を開き、女性活躍、訪問美容をテーマにしたインベントを各地で開いていており、今回はその一環として開いたもの。
結婚による寿退社、出産による退社があたりまえの美容業界、その後美容の仕事に復帰を希望しても、受け入れ体制が整っていないため諦める女性美容師は少なくない。女性技術者が三分の二を占める美容業界では、女性の離職が直接労働力不足につながるだけに、出産後も継続して働ける、職場の受け入れ態勢が必要なはずだったが、他産業に比べ残念がら遅れているのが現状だ。
今回のセミナーでは、女性スタッフを結婚・出産後も継続して雇用している美容サロンの実践例が紹介された。都内を中心に22店舗があるanemoneと都心部を中心に海外にも店舗を展開しているGARDENの2社。
前者はスタッフのライフステージ、本人の希望によって雇用形態や勤務シフトを変更できるシステムを導入。後者は産休・育休などなどの時短勤務を導入するとともに、時短中のスタッフの顧客を復帰まで引き継ぐ制度などを取り入れた例などが紹介された。両者とも制度づくりとともに周囲のスタッフの理解が大切で不可欠だと指摘していた。
対人個客サービス業という業の性格から、美容業の産休育休へのフォローは他業のように単純にはいかない現実があるが、美容業の特性を踏まえつつ、工夫次第では出産後の職場復帰も可能なのが今回の実例からわかった。まだ、2社ともママさん美容師の数は少ないが、これから増えるものと期待されるし、美容業界でも参考になる制度といえる。
なお、セミナーでは、専門家による、産前産後、育児中、復帰後などのシーン別の労務についての基本知識の講義や、HPBAスタッフによる女性活躍の現況などの説明、さらにパネルディスカッション、質疑応答、交流会など充実したイベントが繰り広げられた。
無料のイベントで、HPBAでは今後も各地で「未来会議」を開いていく。
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