美容学校入学者数 2年続けて最低を更新
Posted on | 12月 28, 2015 | No Comments
文部科学省は平成27年度学校基本調査(確定値)を2015年12月25日発表した。2015年に美容科に入学した学生は、前年より336人減少し、1万8千台を割り込み、1万7956人だった。2年制になって2年続けて最低を更新した。
男女別入学者数は男子4666人、女子1万3290人で、男女比は26:74と約4人に1人が男子学生だった。男女比は美容師ブームがあったころは男子学生が30%近くを占めていたが、緩やかながら男子学生の比率は減る傾向にある。
一方、卒業者数は1万6080人で前年より119人増えた。卒業者の男女別は男子4465人、女子1万1615人で、比率は28:72だった。
卒業者の入学時の人数は1万8783人で、2703人(14%)が中途退学したことになる。
美容業界は慢性的な人手不足で、スタッフを募集してもなかなか人材が集まらない状況が続いている。そこで美容業界では人手不足を解消するため、美容学校への入学者を増やす活動を行っている。
2万1千人の定員に4万人を超す応募者があった2000年の美容ブームの当時に比べると確かに美容師志望者は大幅に減少している。しかし、当時の美容ブームが異常とみるべきで、18才人口が減り続けるなか、近年の美容学校入学者数を見ると、専門学校の他分野に比べ健闘している。その結果が中途退学者数の多さに現れているともいえる。
人手不足に関して問題なのは、業界に入ってもすぐに辞めてしまう、業界側の受け入れ体制にある。1万人を超す新人が入って、そのまま美容業界に就業していれば人手不足など起きるはずはない。逆に人員過剰になってしまう。
2年間の修学を経てせっかく業界に入った若者が数年で去っていく、この現実を解消することが人手不足解消に直結する。そのためには、社会保険や給与など労働条件など一般の会社並の待遇をはかるととともに、独立支援策や大手企業サロンにおいては生涯働けるシステムづくりが求められよう。
それを達成するには美容業の生産性の向上を図ることが必要だが、言うは易く行うは難しい。
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