理美容ニュース

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理美容関係の規制緩和

Posted on | 3月 19, 2015 | No Comments

理美容カフェアベノミクス第三の矢「成長戦略」で規制の見直しが進められている。この中に理美容業に関する規制も含まれ、いま首相官邸の国家戦略会議で検討されている。

民主党政権時代の事業仕分けでも、理美容業界関係の国庫による補助金助成事業が対象になった。このときは廃止と判定されたものの、字句を変更して、即・復活した。しかし、安倍政権がすすめる規制改革は、民主党時代と同じというわけにはいきそうにない。

いま俎上に上がっているのは、理美容師の混在店の認可、出張理美容における無店舗者の営業認可、洗髪設備の義務化の緩和(以上、キュービーネット提案)と、戦略特区での外国人美容師の就業認可、業務限定の美容師資格の創設(以上、特区ビジネスコンサルティング)である。

どの提案をとっても理美容業界に大きな影響を与える。
理美容業界は、外国人美容師の就業は人手不足に悩んでいるので、この特区構想には積極的だが他については否定的である。

これらの提案に対して厚生労働省は昨年、拒否の回答をした。しかし、戦略会議の諮問会議・ワーキンググループ(WG)では、委員に担当課長がやり込められている、と伝えられている。おそらく官邸側の意向をくんでのWGになっているのだろう。理美容関係の規制にメスが入る可能性は高い。

ところで、理美容業界の現状をみると問題が多い。
美容業界は恒常的にオーバーショップ、人手不足、低生産性、低賃金、長時間労働、社会保険への未加入、などなど。理容業界は後継者不足が致命的な状況だ。

昨秋、労働政策審議会の分科会を取材した。その中で、週44時間の特例が認められた業種の改善状業が報告された。他業は改善が進み、残るは理美容業のみで、理美容業は社会からひとり取り残された感がしたものだ。
さらに驚いたのは、特例業種として残れたことが、さも業界にとって好ましいように某会議で報告されたことである。

世の中にブラック企業という言葉がある。定義は長時間労働、低賃金、若者の使い捨て、といったところだろうか。
理美容業種の従業者は20代が60%以上を占め、30代以上は急減する(賃金構造基本統計調査)。まさに使い捨て、といえる。
ブラック業界という言葉があったら、理美容業は間違いなくノミネートされる。

しかも、この惨状が今に始まったことでなく恒常的に続いていることが問題だ。他業、たとえば飲食は休憩時間を入れることで時間当たりの生産性を上げ、運輸は荷待ちタイムのロスをシステム化によって解消して生産性を上げている。
ところが理美容業は工夫、進歩が見られない。今回提案を出したキュービーネットなどはアイドルタイムを解消することで生産性を上げたビジネスモデルといえ、消費者の支持を得ている。これを一般マスコミがいうところの「1000円バーバー規制条例」で規制に動くのは、消費者の理解は得にくいだろう。

国家戦略会議で進められる規制緩和、この際、反対ばかりしているのではなく、理美容業界の未来を見据えた上で、理美容業界の視点にたった規制緩和を模索したらいい。
戦略会議はグローバル化を前提にしている。それはTPPとも密接な関係がある。
欧米で理美容の仕事をする日本人はいるが、日本国内で外国人の就労を拒否するのでは対等とはいえない。だいいち、理容と美容が分かれているのは日本ぐらいで、これも国際基準にしたらいい。
日本の方が優っている衛生基準については、日本の基準を世界に敷衍させることもいいだろう。

さらに行政も現在、衛生の観点から厚生労働省の所管になっているが、衛生管理は厚生労働省に残すにしても、業界振興に関しては経済産業省が係わるべきだろう。とくに、これからは理美容業界も世界に打って出ることが必要になってくるが、この辺は経済産業省が長じている。幸い日本の理美容の技術者は世界でも高い評価を得ているので、可能性は追求すべきだ。

業法(理容師法、美容師法*)が立法化されて68年、振興法(生営法)は58年が経つ。この間、国民生活は大きく変わった。理容美容のみならず、いわゆる美容系といわれる職業は多岐に及んできている。本来なら、それら美容系の業界全体のスキーム、グランドデザインを構築するための方策が国家レベルで検討されてもおかしくない。

それが無理なら、少なくともいま政府が進める規制緩和に乗って、理美容業界の将来を担う人から評価されるような変革を理美容業界自ら検討すべきだ。理美容業界はいままさに転換点に差しかかっている。

*「理容師法」昭和22年交付、「美容師法」昭和32年交付、「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」(生営法)昭和32年交付

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