経営努力が足りない? 業歴の長い理美容サロン経営者
Posted on | 8月 8, 2012 | No Comments
「顧客数の減少」に悩む理容店・美容室の経営者は多い。とくに業歴の長い経営者ほど多いのだが、仕事を長く続けていると慣れもあるのか、経営努力が足りないようだ。
日本政策金融公庫の経営実態調査より。
「経営上の問題点」は、日本政策金融公庫が四半期ごとに実施している「生活衛生関係営業の景気動向等調査結果」でも発表されているが、今回発表された「経営実態調査」では業歴別の調査が行われている。
そのうち「経営上の問題点」でも多くの経営者が問題といてる「顧客数の減少」に焦点をあててみた。
「顧客数の減少」は、理容では64.8%の経営者が問題点とし、トップである。美容は理容より少ないが38.7%の人があげており、「新規客の開拓」(57.9%)、「スタッフの確保・育成」(41.3%)に次いで3位。しかし、直近の「生活衛生関係営業の景気動向等調査結果」(平成23年第4四半期)では71.9%の美容経営者が問題としている。(理容は79.5%)
業歴別にみると、理容も美容も20年以上の業歴がある経営者は平均より10%以上多く、逆に10年未満の経営者は平均より10%以上下回る。「顧客数の減少」に悩みが多いのは業歴の長い経営者といえる。
「顧客数の減少」を問題視している業歴の長い経営者は、「新規客の獲得」についても、問題視しているだろうと思うのだが、実際にはこちらは平均を下回っている。「新規客の獲得」には熱心でないため問題視していないのかもしれない。
「新規客の獲得」をしなければ当然、顧客数は減る。
その結果、「顧客数の減少」がいっそう問題になってくるだが、長い業歴の経営者はひとことで言ってしまえば、経営努力が足りない、といえる。
【経営上の問題点】(業歴別)
顧客の減少 | 理容店経営者 | 美容室経営者 |
全体 | 64.8 | 38.7 |
1年未満 | 20.0 | 13.6 |
1~3年未満 | 17.2 | 15.0 |
3~5年未満 | 50.0 | 26.7 |
5~10年未満 | 37.5 | 39.5 |
10~20年未満 | 55.4 | 45.5 |
20~30年未満 | 75.0 | 62.0 |
30年以上 | 79.1 | 62.0 |
【調査概要】
調査時点:平成 24 年2月
経営実態調査
日本政策金融公庫(国民生活事業)の取引先
理容業:1,510 企業、回答数 755 企業(回答率 50.0%)
美容業:1,459 企業、回答数 593 企業(回答率 40.6%)
郵送、無記名によるアンケート調査
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