日本公庫調査 理美容業は人手不足感弱く、賃上げも伸び悩み
Posted on | 3月 6, 2026 | No Comments
日本政策金融公庫は2026年2月26日、「雇用動向に関するアンケート調査結果」を発表した。
生活衛生関係営業に限らず、日本の産業全体で人手不足が指摘されている。理美容業でも不足感はあるものの、生活衛生業の中では比較的軽く、そのためか賃金の上昇も鈍い傾向がみられる。理美容業は1対1の対人サービスであり、従業者数が売上や収益に直結するため人材確保は経営の死活問題といえるが、調査結果からは収益の伸び悩みも背景にある実態がうかがえる。
従業員の増減
生活衛生業全体では、「不変」81.8%、「増加」7.6%、「減少」10.6%だった。理美容業では、「不変」が生活衛生業全体より多く、理容業93.8%、美容業87.2%と大半を占めた。「増加」は理容業4.8%、美容業7.6%と、生活衛生業全体を下回った。
従業員の過不足感

生活衛生業全体では「過剰」2.7%、「適正」66.7%、「不足」30.6%だった。
理美容業では「適正」とする回答が理容業81.8%、美容業76.9%と多く、四分の三以上の事業者が適正人員と認識している。「不足」とする回答は理容業16.1%、美容業20.0%だったが、生活衛生9業種の中ではそれぞれ8位、9位と低く、人手不足の深刻度は他業種に比べて小さい。
従業員不足への対応(複数回答)
生活衛生業全体では「従業員の新規採用」が40.9%で最多だった。
これに対し理容業・美容業では「営業時間の短縮」が最多で、理容業41.2%、美容業38.2%だった。「従業員の新規採用」も理容業32.4%、美容業34.8%と多いが、「効果的な手段が見当たらない」とする回答も3割を超え、人材確保の難しさがうかがえる。
採用に向けた取組み(複数回答・3つまで)
生活衛生業全体では「身内や知人等への紹介依頼」「求人サイトの活用」「ハローワークへの求人」が上位を占めた。
理美容業では「学校への求人」が最多で、理容業52.7%、美容業29.0%だった。技術指導を行いながら比較的低い給与水準で採用できる新卒者への志向が強いことがうかがえる。
そのほか「身内や知人等への紹介依頼」は理容業33.8%、美容業18.7%、「ハローワークへの求人」は理容業20.3%、美容業23.4%だった。「求人サイトの活用」は美容業で17.8%あったが、理容業では一桁台にとどまった。
定着に向けた取組み(複数回答・3つまで)
生活衛生業全体では「賃金の引き上げ」「休日・休暇の増加」「勤務時間の削減」が上位を占めた。理美容業でも同様の傾向だが、理容業・美容業ともに1位は「休日・休暇の増加」だった。
正社員の賃金水準
生活衛生業全体では「上昇」46.5%、「不変」50.9%、「低下」2.5%だった。今後の見通しもほぼ同様の傾向だ。
理美容業では、「上昇」は理容業29.8%で生活衛生業の中で最も低かった。一方、美容業は43.9%と差がみられる。5%以上の上昇も美容業25.4%に対し理容業は16.3%にとどまった。
また「低下」は理容業3.9%で、クリーニング業に次いで多かった。
非正社員の賃金水準
生活衛生業全体では「上昇」61.4%、「不変」37.4%で、「上昇」のうち約半数の36.0%が5%以上の上昇だった。
これに対し理容業は「上昇」22.5%、「不変」75.3%、美容業は「上昇」48.6%、「不変」49.7%で、とくに理容業の上昇が鈍い。理容業では「低下」も2.2%あり、生活衛生業で最も高かった。
外国人材の雇用状況
外国人材の雇用は、言語や法規制の課題もあり、生活衛生業全体では「雇用している」が7.3%だった。ホテル・旅館業では33.7%が雇用しているなど、業種によって差がある。
理美容業では業法上の制約もあり、技術者として雇用できるのは東京都内の特定の美容室などに限られる。そのため雇用割合は理容業0.5%、美容業0.4%とごくわずかだった。
また「外国人材の雇用見通し」については、「条件が合えば雇用したい」が理容業4.3%、美容業8.8%、「積極的に雇用したい」は理容業0.2%、美容業0.9%だった。
タグ: 日本政策金融公庫, 雇用動向調査

























