令和6年経済センサスで見る理美容業 経営効率は5~19人規模が優る
Posted on | 12月 26, 2025 | No Comments
令和6年経済センサス基礎調査が、2025年12月24日に発表された。雇用者のいる事業所を対象に集計したもので、理容業は2万4,216施設、従業者数は7万3,500人、1施設当たりの従業者数は3.04人だった。美容業は6万3,913施設、従業者数27万3,022人で、1施設当たりの従業者数は4.27人となっている。
令和6年経済センサス基礎調査より
| 項目 | 理容業 | 美容業 |
|---|---|---|
| 施設数 | 2万4216件 | 6万3913件 |
| 従業者数 | 7万3500人 | 27万3022人 |
| 1施設当り従業者数 | 3.04人 | 4.27人 |
| 売上 | 3168億83百万円 | 1兆7020億87百万円 |
| 1施設当り売上 | 1326万円 | 2738万円 |
| 1従業者当り売上 | 438万円 | 642万円 |
| 法人率 | 26.10% | 50.70% |
*「雇用者のいない個人経営の事業所」を除いた集計
従業者のうち常用雇用者は、理容業が5万1,915人、美容業が21万7,123人だった。1施設当たりの常用雇用者数は、理容業が2.14人、美容業が3.40人となる。理容業と美容業を比較すると、美容業は施設数で約2.6倍、従業者数で約3.7倍と、大きな差がある。
売上高は、理容業が3,168億83百万円で、回答事業所数で割ると1施設当たり1,326万円、1従業者当たり438万円となる。美容業は1兆7020億87百万円で、1施設当たり2,738万円、1従業者当たり642万円になる計算だ。売上高に関しては、美容業が理容業の5.4倍で、業界規模以上に差が開いている。
1従業者当たりの売上高は施設規模によって差があり、理容業では従業者数5~9人、10~19人規模の企業が平均を上回る一方、50人以上になると大きく下回る。美容業も同様に、5~9人、10~19人規模で平均を上回り、50人以上では水準が低下する。理美容業では、5人から19人程度を雇用する規模のサロンが、比較的営業効率が高いといえそうだ。
また理容と美容の両業界合わせた売上は2兆円を超えることになる。これに業界の半数以上を占めると思われる、雇用者のいない個人企業を合わせると相当の売上規模になりそうだ。
営業形態を見ると、理容業は法人が26.1%、個人が73.9%であるのに対し、美容業は法人50.7%、個人49.3%と、ほぼ拮抗している。
なお、今回の発表は「雇用者のいない個人経営の事業所」を除いた集計となっている。理美容業はもともと家族経営の店舗が多く、近年は一人営業店や、シェアサロンを活用したフリーランス、業務委託形態も増加している。こうした背景から、統計データだけで理美容業界の全体像を把握するのは難しい状況だといえる。
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