切れたシスチン結合を再架橋 ラサーナが毛髪強度回復を実証
Posted on | 12月 15, 2025 | No Comments
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毛髪ダメージの修復は難しい――。そう考えられてきた常識に、新たな知見が示された。海藻コスメブランド「ラサーナ」を展開する株式会社ヤマサキは、毛髪内部で切断されたシスチン結合を再架橋する成分により、ダメージ毛が健康毛と同等の毛髪強度まで回復することを実証したと発表した。
同社は2025年12月8日から10日にかけてパシフィコ横浜ノースで開催された「第3回化粧品技術者会学術大会」において、研究成果を口頭発表した。パーマや紫外線などによって生じる毛髪内部のシスチン結合切断は、長年「修復が困難」とされてきた分野であり、今回の発表は将来のヘアケアの可能性を広げる成果として注目される。

研究では、架橋剤「ジマレイン酸プロピレンジアンモニウム」がダメージを受けた毛髪内部に浸透し、切断されたシスチン結合を再び結び直すことを確認した。さらに、この成分は洗浄後も毛髪内部に留まることが検証されている。
本実験は、株式会社ヤマサキとクローダジャパン株式会社が共同で実施した。パーマ処理や紫外線照射、還元処理によって低下した毛髪破断強度が、架橋剤の処理によって有意に上昇し、健常毛レベルまで回復することが示された。毛髪内部構造の再構築を定量的に示した点は、同社が長年積み重ねてきた研究と技術開発の成果といえる。
同社が展開する「ラサーナ」は、洗い流さないトリートメントの先駆けとして1998年に誕生したブランドだ。主力商品の「ラサーナ 海藻 ヘア エッセンス」は、補修力と使用感の両立が支持され、累計販売本数2,500万本を超える実績を持つ。
今回の技術は、パーマや紫外線によるダメージで低下した毛髪強度を高め、毛髪構造そのものの修復につながる可能性を示した。自然素材と科学の融合を軸に研究を続けてきたラサーナは、今後も髪だけでなく心まで健やかに整えるヘアケアの提供を目指すとしている。
タグ: シスチン結合, ダメージヘア修復, 美容サイエンス

























