日本ファッション協会がZ世代女性のヘアカラー事情を調査
Posted on | 9月 3, 2025 | No Comments
おしゃれZ世代が2025年秋に注目するヘアカラーは“くすみ系”“ナチュラルブラック”だ。
一般財団法人日本ファッション協会は、Z世代女性のヘアカラー事情を探る街頭インタビュー調査を2025年8月、表参道で敢行した。対象は27名のファッション感度が高いZ世代女性。今回の調査で浮かび上がったのは、彼女たちは単にトレンドを追うのではなく、「自分らしさ」を大事にヘアカラーを捉える強さと柔軟性に富んでいること。理美容業界にとって、ここから得られる示唆は大きい。
“今の自分らしさ”を映すツールとしてのヘアカラー
まず「今のヘアカラーは好き?」という質問に対して、27名中25名が「はい」と回答。約93%という高い満足度だ。それは、トレンドをそのまま受け入れるのではなく、「今の気分に合うか」「自分らしく見えるか」が判断基準になっていることを示している。
調査対象の声には「一番似合うと思った色だから」「気分を伝えるカラーパレットのようなもの」「服とのバランスで決めた」など、色選びにも自分軸がはっきりしている様子が見て取れた。単なる見た目ではなく、自分を表現するツールとしてカラーを扱っているのだ。
2025年秋は“くすみ系”“ナチュラルブラック”の時代へ

続いて、「秋の流行カラーは?」との問いに「くすみカラー」「ナチュラルブラック」といったダークカラーの人気が浮上した。肌なじみがよく秋冬のファッションに溶け込みやすいことが支持されている。だがトレンドだけに寄せるわけではなく、「自分に似合いそうか」を選ぶ慎重な意識が印象的だった。
SNSが“自分に似合うか”を判断するフィルターに
情報収集では、InstagramとTikTokが圧倒的に上位。中でも、ビフォー・アフターの動画を重視する傾向が顕著だ。「参考にしたのはSNSだけ。だけど“誰を見るか”を意識して選んでいる」との声も多く、モデルではなく“自分に近い誰か”をロールモデルに据えるのがこの世代らしいスタイルだ。
また、美容室予約前は「カラーが上手そうな美容師をSNSで探す」が定番であり、発信する美容師の影響力も明確になってきた。SNSは“ざっと見る”メディアではなく、「失敗を防ぐために納得して選ぶ」ための高度な選別ツールになっている。
褪色も遊び方のひとつ。ハイトーン後の“色落ち過程”も楽しむ
ブリーチやハイトーンカラーにおける色落ちに対し、柔軟な姿勢を見せるZ世代女性が少なくないことも特徴だ。「褪色すらヘアデザインの一部」とし、「褪色も含め楽しみたい」「次にしたい色の土台になるよう提案してもらえるとうれしい」といった意見もあった。
一方でダメージケアにも目配りする意識が高い。無理せず、“ケア期間”を設けて髪の健康を優先する判断力も垣間見えた。
自分らしさと客観視を両立するセルフブランディング力
Z世代女性は、“自分らしく見えるか”を第一に考えるカラー選びをしている。「みんながしているから」ではなく、どんな色が似合うかを冷静に考える客観性こそ、この世代の強みだ。美容師は、その意図を汲み取る提案力が問われる時代に突入している。
ネガティブ要素こそ“ちょうどいい”ヒントになる
色落ちやダメージを従来のように“問題”と捉えるのではなく、「自分らしさになる変化」と捉える柔軟性。この視点こそ、Z世代と共感関係を築くカギになる。彼女たちの“ネガティブすらポジティブに変える発想”は、未来のヘアトレンドや施術デザインに新たなヒントを与える。
今回の街頭調査では、Z世代女性27名のリアルな声から“ヘアカラーに込める自分らしさ”と“情報の取捨選択の鋭さ”を掘り下げた。業界としては、最新のカラー商材や提案の参考になるだけでなく、サロンでの接客姿勢にも応用できる理解が得られたのではないか。
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自分らしさをどこまで引き出せるか、それが理美容師の技量として問われる時代。Z世代の柔軟で鋭いセレクト眼ほど、現場に刺激と成長をもたらすものはないだろう。
タグ: Z世代, ヘアカラーユーザー調査, 日本ファッション協会

























