「篦頭舗」は髪結床
Posted on | 2月 14, 2025 | No Comments
「篦頭舗」は髪結床のことで、「かみゆいどこ」と読ませます。「篦頭舗」の「篦」は、ヘイ、ヒラ、ヘラなどと発音しますが、もともとは「竹切れを細長く平たくした「ヘラ」に由来するようです。
「篦頭舗」が髪結床なら「篦頭」は丁髷のことです。こちらは「へらず」と読ませます。
要は、ヘラが髷に似ていることからの異名のようです。また「篦」には梳き櫛、かんざしなどの意味もあるといいます。
「篦頭舗」「篦頭」は江戸時代後期から明治にかけて使われたようで、当時発行された書籍に使用されています。
天保期(1830〜44)の江戸の繁栄ぶりを皮肉たっぷりに記述した『江戸繁盛記』(寺門静軒、1832〜36年刊)に「篦頭舗」がでてきます。式亭三馬の『浮世床』をパクった一文で、「篦頭舗」と書いて解説書は「かみゆいどこ」とルビをふっています。
「篦頭」は「へらず」と読みますが「ちょんまげ」のことです。
明治期に著された『幕末の江戸風俗』(塚原渋柿園)に登場します。
明治になっても丁髷姿の男性は多く、文明開化の洋風化を進める明治政府はザンギリ頭は文明開化、丁髷は時代遅れの象徴として、盛んに喧伝していました。その流れで、時代遅れの象徴として、「篦頭舗」「篦頭」という言葉が蔑称的に用いられたのかもしれません。
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