理美容業などの特例措置が見直される可能性
Posted on | 5月 17, 2024 | No Comments
労働基準関係法制研究会
現在、理美容業などに認められた週44時間労働の特例措置が見直される可能性がある。
法定労働時間は週40時間だが、理美容業など一部業種に特例措置として、従業員10人未満の事業所に限り週44時間労働が認められている。
この問題などを審議してきた労働基準関係法制研究会(厚生労働省)が2024年4月23日発表した「これまでの議論の整理」、また、その資料によると、特例措置業種の8割が特例措置を活用していないこと、特例措置対象事業所に占める理美容業の割合が1.5%に過ぎないことなどをあげて、特例措置の役割はすでに終えている、という委員の意見が付帯されていることから、特例措置が廃止される可能性がでてきた。
また、「週40時間とすることによる支障の有無」の調査で、理美容業の86.7%は支障あり、と回答しているが、2位の倉庫業(25.0%)以下を大きく引き離し、理美容業の特異性が浮かび上がっている。
同研究会では、業種に特徴的な労働時間の実態を把握する必要があるとして、理容業、美容業らの団体代表者にヒアリングを行った。その模様について、全日本美容連合会の理事会(5月15日開催)で、事務局が理美容業界の両代表らは特例措置の必要性を強調する意見を述べた、と報告した。
労働基準関係法制研究会
「これまでの議論の整理」
(一部抜粋)
1-1 最長労働時間規制
(5)法定労働時間 週44時間の特例措置
今後の議論の方向性に関する意見
・法定労働時間を週44時間とする特例措置対象事業場について、8割の事業所がこの特例措置を使っていない現状を鑑みると、既にその役割を終えていると考えられる、という意見があった。
・理美容業界など、業種に特徴的な労働時間の実態もあることから、業種による状況の違いを把握しつつ、一般原則を適用する方向で検討すべき、という意見があった。
タグ: 労働基準関係法制研究会, 労働時間特例措置, 厚生労働省