美容室の利用率 15年で12%アップ
Posted on | 11月 30, 2023 | No Comments
現在、美容室を利用している人は73%(利用率)で、15年前に比べて12%増えた。
経済産業省関連のインターネットサイト『J-Net21』(運営・独立行政法人中小企業基盤整備機構)が2023年11月29日発表した。
サンプル数1000人(男女)の調査。
現在の美容室ユーザー数(利用率)は729人(72.9%)に上り、これは2008年に同サイトで行ったアンケート調査の61%と比ベて11.9ポイントアップした。「利用したことがない」という非ユーザーは、08年は30%あったが今回は14.3%に減少したことが、利用率アップにつながった。男性の利用が増えたものと推測される。
1)現在の利用状況
最多となったのは「2〜3か月に1回程度利用している」の331人(33.1%)。
続いて「まだ一度も利用したことがない」が143人(14.3%)で2位となり、「月に1回程度利用している」の133人(13.3%)、「かつて利用したことがある」の128人(12.8%)、「3ヶ月〜半年に1回程度利用している」の124人(12.4%)が僅差で続いた。
2)性別・年齢別に見た利用状況の内訳
美容室の利用状況は、男性は理容室の利用者が多数いるので、男女間で大きな差がある。男性は高齢になるほど利用率は下がる。
また女性は高齢になるほど利用頻度が増える傾向があり、60代女性は「週一」利用者もいる。逆に20代女性は利用頻度は少なく、「2~3ケ月に1回」~「半年に~1年に1回」が8割を占める。
3)利用の基準
最多は「低価格。スピードや手軽さ」で253人(25%)を占める。次いで「スタッフの人柄や店内の居心地の良さ」が220人(22%)。この二つが双璧で、「予約のしやすさ」「口コミ評価」など大きく引き離している。(「利用したことがないのでわからない」を除く)
4)性別・年齢別に見た利用の基準の内訳
この質問も男女間で違いが見られる。女性は各年代で「スタッフの人柄や店内の居心地の良さ」を重視する傾向があるのに対し、この項目を重視する男性は各年代とも比較的少ない。男性は「低価格。スピードや手軽さ」を重視している傾向がやや見られる。
5)利用にかける費用(1回の利用)
最も多かったのが「5000円〜1万円未満」の250人(25.0%)。
2位は「3000円〜5000円未満」の208人(20.8%)。
3位以降は「利用したことがない」の138人(13.8%)、「1000円〜2000円未満」の129人(12.9%)、「2000円〜3000円未満」の113人(11.3%)、「1万円〜2万円未満」の111(11.1%)、「1000円未満」の41人(4.1%)の順。
2万円以上かける、美容室にとってロイヤルカスタマーは10人(1.0%)いた。
美容室の利用にかける費用は大きな幅があるが、1000円~3000円未満の対価格帯のユーザーは四分の一近くを占める。
6)性別・年齢別に見た利用にかける費用の内訳(1回の利用)
「3万円以上」の超高額ユーザーもは3人いるが、意外にも20代男性2人、30代女性1人だった。低価格志向の強い男性にあって若年男性のなかには高額料金をいとわない美容男子もいる。
7)コロナ禍の影響
過半数の556人(55.6%)が「利用頻度にも利用の基準にも影響はなかった」と答えた一方で、「利用頻度が減った」が231人(23.1%)に上った。「影響はあったが、今はまた元に戻った」は163人(16.3%)いて、徐々にコロナ前の状況に戻ってきている。
8)今後の利用意向
最も多かったのは「ぜひ利用したい」の507人(50.7%)。2位の「どちらかと言えば利用したい」157人(15.7%)と合わせると664人(66.4%)だった。
その一方で、「あまり利用したくない」(81人)、「まったく利用したくない」(121人)もあり、「どちらともいえない」(134人)を合わせると、ほぼ三分の一の人が未利用者になる可能性がある。
中高年男性で「あまり利用したくない」「まったく利用したくない」が多いのは理容室への移行を念頭にしているの可能性がある。
同サイトでは、「まとめ」として、「美容室ユーザーは男女間のニーズや意識が大きく異なるため、どの層をターゲットにするかは慎重に検討した方が良さそうだ。」とまとめている。さらに個別の施策等を検討する際には、別途、専門家に相談されることを勧めている。
<調査概要>
調査期間:2023年7月3日〜7月10日
調査対象:国内在住の20代男女、30代男女、40代男女、50代男女、60代以上男女。
サンプル数(n)1000人
調査方法:インターネットによるアンケート調査
タグ: ユーザー調査, 中小企業基盤整備機構, 美容室利用率