『家族じまい』 (集英社文庫、桜木紫乃著)
Posted on | 10月 12, 2023 | No Comments
子育てを終えた48歳になる理容師の智代を主人公にした小説。第15回中央公論文芸賞受賞作。
ある日、智代は夫・啓介の後頭部に10円ハゲを見つけるが言い出せない。同じ日、妹の乃理から釧路に住む両親の様子を見に行ってほしいと連絡が入り、母親のサトミが「ボケちゃったみたい」という。
智代の父親は理容師で借金を重ねる。
理容競技会出場を辞めてから一段と仕事に身が入らなくなった。
おおっぴらに人と争える競技会が、彼を理髪店に縛り付けていたのだと今ならわかる、と感じる智代。
…「ボケ」と「ハゲ」は、厄介な色の鳥となってどこへも飛んでいく様子がない。…
「家族」という危うい存在を背景に、10円ハゲ(円形脱毛症)や智代が勤める美容室での話を盛り込んだ小説。
『家族じまい』 (集英社文庫、桜木紫乃著)
2023年6月20日発売
748円(税込)
文庫判/320ページ
ISBN:978-4-08-744534-3
アマゾンなどからも購入できる。
試し読みもある。
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