厚生省五十年史 昭和63年(1988)刊
Posted on | 11月 29, 2022 | No Comments
中央省庁改革前の厚生省時代の昭和63年(1988)に刊行された開省50周年の記念誌。
厚生省が開省したのは戦前の昭和13年。当時の内務省から衛生防疫部門が独立して開省しました。戦時体制下で、屈強な兵士を育成する目的もあり、開省には軍部の強いはたらきかけがあったといいます。
開省時、理美容業や浴場業などの生活衛生業は、内務省の警視庁・警察が所管したままでした。生活衛生業が厚生省の所管になるには、敗戦後GHQの指導で内務省が解体され、警視庁改革が行われた戦後になります。
『厚生省五十年史』は、目次だけでも52ページある大部の記念誌で、厚生省開省以降の歴史が俯瞰できます(写真は背表紙)。記述の中心は医務、薬事、健康、防疫、社会福祉などですが、生活衛生関係営業として、理美容など生衛業種にかかわる記述もあります。
大部すぎて、当該項目を探すのも一苦労しますが、生活衛生関係営業の行政面での経緯が俯瞰できます。
高度成長期の昭和32年に規制法として成立した「環境衛生関係営業に運営の適正化に関する法律」ですが、規制法から振興法へと変遷し、現在に至ります。
当該官庁の記念誌なので、変遷の背景などについては深掘りされていませんが、事実の記録としては参考になります。
とはいうものの、厚生省の所管分野の中で理美容業はじめ生衛業はコアでないのは承知していても、記念誌での扱いはほんの申し訳程度です。
『厚生省五十年史』は、DINF(障害保険福祉研究情報システム)から閲覧できます
https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/mhlw.html
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