レピスタ 皮膚細胞を増殖させる化粧品原料
Posted on | 9月 26, 2022 | No Comments
静岡大学などが研究開発
ヒト表皮角化細胞を増殖させ、皮膚バリア機能を強化・改善する可能性が高い、化粧品原料が開発され、 2022年10月より販売を開始する。 国立大学法人静岡大学とビタミンC60バイオリサーチ株式会社の共同研究で開発した「レピスタ(R)」。
9月28日~30日、インテックス大阪で開催される化粧品開発展のVC60社ブースおよび出展社による製品・技術セミナー(9月28日14時30分~)で展示・発表される。
レピスタ(R)/Repista(R)は、機能性成分2-aza-8-oxohypoxanthine (アザオキソヒポキサンチン; 以下AOH)を1%含む水溶性化粧品原料。
AOH発見のきっかけとなったキノコの学術名(Lepista sordida)にちなんで、 製品名を「レピスタ(R)」と命名。
AOHはコメやトマトなど多くの食用植物が持つ成長因子で、含有量がごく微量のため、実用化の障壁となっていた。
静岡大学とVC60社は、微生物の分泌する酵素を活用してAOHを製造する技術を確立、化粧品に配合しやすくするため水溶化にも成功した。
更に効果効能や安全性を検証し、2022年10月より世界初のAOH含有化粧品原料「レピスタ(R)」として販売を開始する。
化粧品に配合するために必要なINCI名(Aza-Oxohypoxanthine)および化粧品表示名称(アザオキソヒポキサンチン)も取得済み。
<有効性について>
ヒト表皮角化細胞にレピスタ(R)を添加したところ、レピスタ(R)の濃度に依存して細胞増殖が認められた。
これは、レピスタ(R)が細胞を活性化する働き(細胞賦活作用)を有していることを意味する。
次にこの細胞賦活作用が、表皮細胞に対してどのような働きをしているのか調べるため、 DNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、レピスタ(R)は皮膚バリア機能を強化・改善する可能性が高いことが明らかになった。
その上で、22名の被験者を対象として、ヒト効果効能試験(臨床試験)を実施したところ、レピスタ(R)配合化粧水を8週間塗布することにより、角層水分量が増加した。
また、皮膚からの水分蒸散量を示す指標であるTEWLが統計学的有意に減少した。有効性に関する研究は、現在も継続中。今後より多くの知見が得られる予定。
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