ふわふわの綿菓子状の髪
Posted on | 1月 31, 2021 | No Comments
「Uncombable Hair Syndrome」(UHS)という極めてまれな頭髪の症状があります。Uncombable、つまり櫛で梳かすことができない髪の毛になってしまう症状です。
これまで世界で100例しか報告されてない珍しい症状です。
この状態になった英国の女児(写真・右)の母親が『Mirror』などのメディアに語った話によると、「毛が生えはじめたころは、まるで綿菓子のようにフワフワでした」「4歳頃になると、長くなった髪が絡まるようになりました」といいます。
この状態から想定できるのは、キューティクル(毛小皮)が逆向き状態になっている可能性です。本来上に開いているキューティクルが下向きになっているので、毛が絡みやすい。その一方で毛の成長は早く、かつ毛孔上皮との摩擦力が弱まり抜けやすくなるのではと思われますが、母親はそのことまでは触れていません。
ドイツの大学研究チームは、「毛幹を作る3つのたんぱく質のいずれかの突然変異が関係し、半数以上の患者の毛幹はハート形や三角形になっている」ことまでは解明しているそうです。
母親は髪の毛の手入れが大変だったと言ってますが、「9歳になったいまは櫛はだいぶ楽に通るようになりました」といいます。この症状、成長とともに自然に治るそうです。
当の女児はふわふわの髪の毛が注目されて人気者になったといいますし、母親も娘の髪の手入れを楽しんでいて、ふわふわの綿菓子状のヘアに名残惜しそうな親子でした。
Syndrome、症候群と病気扱いですが、重篤な症状ではないので医者に相談する人は少なく、実際にはもっと多数の子供にUHSの症状があるのかもしれません。
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