客の頭に10円ハゲを見つけたら?
Posted on | 1月 8, 2021 | No Comments
ストレスが原因とされてきた円形脱毛症ですが、近年病理的な脱毛原因の研究がすすみ、自己免疫異常によるものとされています。
異物に対して攻撃をしかけるTリンパ球が、正常な細胞を攻撃する自己免疫異常によって、毛根を攻撃して髪の毛が抜けてしまう。
自己免疫異常の病理学的な研究は進んでいますが、なぜ当初は円形なのかは解明されていません。
また円形脱毛症のタイプは、1か所だけの単発型円形脱毛症以外にも、多発型(2か所以上)、全頭型、汎発型(全身)、また帯状に抜け落ちる蛇行型などがあります。
治療法も進化して、ステロイド系の塗り薬や居所注射法、内服療法、光線療法などがあります(詳しくは、ネットで検索できます)。
しかし、いまだになぜ円形脱毛症になるのかはわかっていません。自己免疫異常を引き起こす原因として、ストレスはいまも有力視されていますし、過労、睡眠不足、出産、他の病気などなどがトリガー(引き金)となって起こるらしい。これらの原因が複合しておこるのかもしれませんし、また発症には個人差が大きく、遺伝子が関係しているのかもしれません。
さまざまな治療法がある円形脱毛症ですが、重度な円形脱毛症患者はかつらを装着することで治ることがあります。円形脱毛症の多くは本人も知らないうちに治ってしまうといいます。その一方で円形脱毛症を気にしてさらに悪化することもあります。心因的な要素が強いのが円形脱毛症といえます。
もしお客さんの頭髪の中に10円大の円形脱毛症を発見したら、知らせるか、黙っているか、理美容師さんにとって悩ましいところです。知らせるか黙っているかは、そのお客さんとの関係性にもよりますが、医療関係者は早めの治療を勧めています。
(イラスト/いらすとや)
タグ: 円形脱毛症, 髪にまつわるエトセトラ