ネイルサロンの倒産が過去最高に
Posted on | 12月 9, 2020 | No Comments
ネイルサロンの倒産が、2020年1-11月までに19件発生した。
この時点で2000年以降最も多い14年(18件)を上回り過去最多を更新した、と帝国データバンクが2020年12月8日発表した。
このペースで推移すると、過去初めてとなる20件台を突破すると、予想している。
コロナの影響が大きいが、背景にはネイルサロン市場の競争激化があり、同社では来年以降も厳しい状況が続くと推測している。
同社によると、ネイルサロンの倒産で近年目立つのは、マンションサロンやホームサロンなど、小規模なネイルサロンの倒産が相次いで発生している点と分析。
倒産の特徴は、ほとんどが業歴の浅い中小零細規模の事業者で占められている。過去5年間のネイルサロンの倒産をみても、個人店を含めた資本金1000万円未満の倒産が約9割を占めるほか、業歴は平均で約10年、最も短いもので約2年にとどまるなど、業歴が非常に短い点をあげている。
また同社ではネイル産業の動向について、
ネイルサロンは近年市場の拡大が続いていたが、一方で店舗は3万店に達するなど競争が激化し、店舗当たりの収益は悪化。そこに新型コロナの感染が拡大、美容の中でも「不要不急」の性質が強いネイル需要がいち早く減少するなどの打撃を受けた。
ただ、緊急事態宣言の解除後は徐々に客足が戻るなど、需要の減少ピークからは一旦脱出したとみられる。しかし、新型コロナの感染拡大が止まらず、以前ほどの需要が当面見込みづらい中では、さらに激しい生き残り競争に突入する可能性が高い。
としている。
背景にあるのは、ネイルサロン店舗の急増による顧客獲得競争の激化。2005年は約400億円に過ぎなかったネイルサービス市場は、08年に1000億円台を突破。18年は1700億円に達し、13年前から1300億円も拡大した。市場の拡大に伴い店舗数も急増し、18年で全国約2万8000店あったネイルサロン店は、今年で3万店規模を超えるとみられている。
ネイルサロン利用者の動向については
在宅勤務の普及などで働く女性を対象にしたオフィス(職場)ネイル需要などは、コロナ禍以前の水準に短期間で回復するかは不透明。主要な顧客層の一つである、いわゆる「夜の街」に勤める女性の需要も、大幅な需要回復が見込める状況には当面ない。3万店規模に拡大したネイルサロンは、急激に縮小するパイを取り合う熾烈な生き残り競争に直面することを余儀なくされる見通しで、来年以降も淘汰が進む可能性がある。
と厳しい見方をしている。
(情報/プレスリリース)
タグ: ネイルサロン, ネイルサロン倒産件数, 帝国データバンク