大規模な理美容店ほど、年収差が大きい
Posted on | 5月 17, 2020 | No Comments
理容師美容師の年収は、残念ながら低い。『賃金構造基本統計調査』2020によると、2019年の理容・美容師の年収は、全産業に比べ38%低い。同調査では、10人~99人、100人~999人、1000人以上の規模別に発表しているが、規模が大きくなるに従い、差が開く。
10人~99人規模は25%低い。100人~999人規模は32%、1000人以上は44%といった具合だ。
従業者の平均年齢が違うことも年収の差につながる。全体では、理容・美容師が31.2歳なのに対し全産業は43.1歳と12歳ほど理容・美容師が若い。
10人~99人規模の理容・美容師の平均年齢は30.4歳だ。100人~999人規模は32.7歳、1000人以上は35.5歳になる。
理容・美容師の平均年齢に近い年齢の全産業の年収と比べると、年収差はいくらか縮まる。10人~99人規模(全産業の年齢は32.5歳)では20%の差になる。100人~999人規模(同32.5歳)は26%。しかし1000人以上の規模(同37.5歳)は44%と変わらない。
被雇用者の理容・美容師の平均年齢が低いのは、歳を重ねても年齢に見合った年収が得られず辞めざるを得ないことが大きな理由になっている。
5人~9人の規模では、男性の場合、理容・美容師と全産業の差は16%、女性は12%に縮まる。平均年齢が男性の理容・美容師は39.3歳で、全産業は47.8歳であることを考えると、年収差は小さいいえる。女性は理容・美容師は37.4歳で、全産業は45.6歳になる。
同調査では4人以下の零細事業規模については調査していない。推測になるなが、理容・美容師と全産業の差はさらに縮まるものと思われる。さらに従業員を雇用しないオーナー技術者や家族従業員だけの個人事業は、全産業を上回る年収を上げているものと推測される。
【理容・美容師と全産業の年収差のサマリー】
・理容・美容師の年収は全産業より38%低い
・規模が大きくなるほど差は広がる
・平均年齢は理容・美容師が12歳若い
・近い年齢で比べると年収差はやや縮まる
・5~9人規模では年収差は僅差になる
タグ: 理美容師の年収, 賃金格差, 賃金構造基本統計調査