眉だって物をいう
Posted on | 2月 14, 2020 | No Comments
「目は口ほどに物をいう」という言葉があります。「何も言わなくても、目つきから相手の気持ちや感情が伝わる」、「言葉で偽っても、目を見れば真偽がわかる」といった意味があります。
表情は目のほかに口の役割も大きいですが、眉も忘れてはいけません。目、眉、まつ毛を合わせて、目ともいいます。感情や気持ちは目からも伝わりますが、その表情をより豊かにしているのが眉です。眉毛を剃り落とすと、無表情になります。
むかしの愚連隊、いまの半グレ集団のなかには眉毛を剃り落としている輩がいます。その無表情さは相手に不気味な印象を与えます。相手を威圧する効果はてきめんです。
江戸時代、女性は結婚すると眉を剃り落としました。お歯黒にし眉を剃ることを「顔直し」「面直し」というくらい、その印象は変わります。眉毛を剃るのに抵抗感を抱く娘は少なからずいたのが、当時の川柳などからうかがえます。
眉はヒトだけにあります。オラウーターにも目の上の骨格が突起し眉らしきものはありますが、筋肉で自由に動かすことはできません。
眉と目で表情を作ることで、ヒトはある程度のコミュニケーションをとることができます。驚いた様子や、笑い、相手に対する好意、威嚇などを表すことができます。
言葉が理解できなくて、複雑なコミュニケーションは無理にしても、眉で簡単な感情の伝達ぐらいは可能です。
ヒトが誕生した約4万年前、猿人、原人と進化するなかで言語を獲得していったのでしょすが、同じヒトでも集団が違えばコミュニケーションをとるのが難しい。そんなとき眉による表情が単純な意思伝達の役割を果たしたのだと思います。
ヒトとネアンデルタール人は1万年ほどモザイク状に分布し共存していましたが、両者が出会ったとき、おそらく顔の表情で意思の伝達をしていたのだと思います。
その証拠に、ヒトとネアンデルタール人は交配していて、ヒトの遺伝子の2%はネアンデルタール人の遺伝子が組み込まれているといいます。
ヒトとネアンデルタール人とは生物的に非常に近い存在だったのがわかります。最近ではヒトとの交配によってネアンデルタール人が絶滅したという研究が発表されてます。
ヒトの体毛で、頭髪、眉毛、まつ毛は美的な面からの価値は認識されていますが、これら以外の体毛は無用の長物扱いなのが21世紀です。存在価値が認識されている頭髪、眉毛、まつ毛のなかでも、さまざまな表情に欠かせない眉毛はより重要な存在といえなくもありません。
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