「生活衛生改善貸付」事故発生率は9.11%
Posted on | 11月 15, 2019 | No Comments
経営改善するための資金を無担保・無保証人しかも低利で貸付する日本政策金融公庫の「生活衛生改善貸付」における2019年3月31日時点の事故発生率は生衛業全体で9.11%だった。飲食関係業の発生率が高く、理容業は6.86%、美容業は3.06%と平均を下回った。
「生活衛生改善貸付」、正式には「生活衛生関係営業経営改善資金貸付」という。生衛組合などの経営指導を受けている生衛事業者の経営改善を支援する貸付制度で、特利Fといわれる金利が適用される。2019年11月現在の金利は1.21%と、有担保貸付の基準金利と同等かそれ以下になっている。
この融資を受けるには、その多くが組合に所属する経営特別相談員の指導を受け、推薦を受ける必要がある。低利で融資できるのは、国(厚生労働省)が融資の負担しているからだが、事故率が1割に近いことから生衛業を所管する同省医薬・生活衛生局生活衛生課では、事故発生状況を公表し、適正な審査と推薦事務、融資後の経営指導を適切に行うよう通知した。
発表した事故発生率は過去3年間の貸付件数と事故件数の累計による。
組合 事故率
すし 23.00
麺類 14.50
中華 22.79
社交 18.51
料理 10.05
飲食 6.83
喫茶 9.28
食鳥肉 0.00
食肉 13.59
氷雪 0.00
理容 6.86
美容 3.06
興行 0.00
旅館 5.79
簡易宿泊 0.00
浴場 2.23
クリーニング 4.21
指導センター 0.00
合計 9.11
また、組合団体別の事故件数も発表しており、事故件数5件以上は31団体あり、このうち理容は8組合、美容は1組合あった。
同様の制度に中小企業庁が所管する「マル経」(小規模事業者経営改善資金融資)があるが、こちらの事故率は同じ3年累のデータ(2017年)で商工会議所が6.08、商工会が3.98、平均で5.17となっている。「生活衛生改善貸付」の事故率はマル経より高い。
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