『脱毛の歴史』(A History OF Hair Removal)
Posted on | 10月 13, 2019 | No Comments
副題に「ムダ毛をめぐる 社会・性・文化」とあるとおり、脱毛にまつわる、その周辺との関わりの変遷を紹介した書籍で、脱毛を業務とするエステティシャンに限らず、興味深く読むことができる。
著者のRebecca M.Herezig(レベッカ M ハージグ)さんは女性学が専門で、ベイツ大学(メイン州)で教鞭をとる女性。全編リベラルな視点で、脱毛について考察している。
興味深いのは、最終章の
「次なるフロンティア」遺伝子的エンハンスメント(*)と体毛の終焉
ゲノム解析、遺伝子工学で体毛のコントロールが可能になる時代がすでに訪れているが、米国食品医薬局(FDA)は医療と美容とでその扱いに違いがある。日本でも医療行為と美容行為の境界が問題になることがあるが、FDAのスタンスは明瞭でわかりやすい。
体毛に限らず、肌の色、脱毛治療なども、遺伝子レベルで解決できる時代が到来するのはそう遠くなさそうだ。
『脱毛の歴史』(A History OF Hair Removal)
版元:東京堂書店
四六判、344ページ、3200円(税別)
2019年7月20日初版発行
アマゾンなどから購入できる
(*)エンハンスメント:ここでは「先端医療の転用」とでも訳す
タグ: ゲノム, レーザー脱毛, 脱毛