オーガニック化粧品 を視察 ｜ NBBA

Posted on | 6月 5, 2010 | No Comments

いま話題のオーガニック市場、オーガニック化粧品をNBBA（全国理美容製造者協会）アカデミー委員会の一行が視察してきた。その報告が6月2日のNBBA記者会であった。

一行が訪れたのはオーガニックの先進国、フランス。平成21年10月16日から6日間にわたり、パリを中心にNAT　EXPOをはじめ、オーガニック化粧品、オーガニックファームなどを視察した。

 
オーガニックは「有機の・・・」の意味があり、有機栽培で作られた植物を使った製品がオーガニック製品であり、それを証明するために、各国に様々な認定機関、制度がある。
有機栽培で作られた植物を利用して製造した化粧品を、一般にオーガニックコスメと呼び、世界各国に認定機関（国、民間）があるが、各国、各団体によって、認定基準が違う。その認定基準に合格した製品が、オーガニックコスメとして流通している。その際、認定機関の認定シールが添付されているが、これとは別にメーカーが独自にオーガニックと称して商品を流通させているケースもある。
オーガニックコスメの認定基準が不統一なことから、いくつかの団体が連合し、オーガニックコスメについての国際統一基準「COSMOS Standard」を作成する方向で進んでいる、という。

日本では、薬事法で化粧品（一部には医薬部外品）として許可されており、オーガニック化粧品としての認定制度はない。

また有機農作物については、日本では農水省有機JAS 認定の基準があり、
・過去３年間、農薬も化学肥料を使用していない土壌で栽培されていること、
・化学合成農薬や化学肥料は使用していないこと、
・遺伝子組み換え原料は使用していないこと、
などの基準がもうけられている。

 
以下は、NBBAの報告書から、フランスやドイツの認定機関とその認定基準を紹介（報告書の一部を抜粋）。

ＩＦＯＡＭ（国際有機農業運動連盟）：
１９７２年フランスに創立後、ヨーロッパで広がり、現在では 世界１００カ国以上の約９００の団体が加盟する世界最大の民間オーガニック振興組織である。ＩＦＯＡＭ自体は、認証機関ではなく、基準作成や様々な加盟組織や国連FAO（Food and AgricultureOrganization）との連携などの任務を行う国連認定NGO である。
構成メンバーは各国の小規模農家や有機農業団体、有機認証団体、コンサルタント、研究者、消費者、国際企業などであり、目標は、有機農業の原理に基づいた生態学的に、社会的に、そして経済的に健全なシステムの世界的な導入としている。
ＩＦＯＡＭが約３０年間に渡り培ってきた有機基準が、世界各国の各認定団体の基準ベースとなっており、環境マネジメントシステムISO もそれを基準とした。
ＩＦＯＡＭにオーガニックコスメの世界基準作成を要望する声も多い。
２０１１年には、韓国でＩＦＯＡＭ世界大会を予定しており、オーガニックコスメの基
準についての議題が出されるようである。

BDIH：
ドイツ化粧品医薬品商工業企業連盟が中心となり、ドイツで作られた自然化粧品の認定。
以下の基準等が設けられている。
・可能な限り有機栽培または野生の植物から抽出した原料を使用する。
・生態系の影響を与えない。
・動物実験は行わない。
・動物由来の原料を使用しない。
・合成着色料、合成香料、シリコン、パラフィン、石油製品、エトキシ化物質は不使用
・天然成分で防腐する。
・遺伝子組替成分の未使用
・リサイクル可能で環境に優しい容器を使用

ECO Control：
ドイツの品質審査機関の認定。
原料の採取、製造過程に関する安全性や持続可能性などの品質管理、動物保護、地球環境など環境への影響などを審査する機関である。
「効果が皮膚科学的に確証されている」という項目がある事が、他の認定機関と大きく異なる。以下の基準等が設けられている。
・動物実験をしない。
・殺傷した動物から得た成分は使用しない。
・石油化学系の界面活性剤不使用
・乳化剤と界面活性剤の使用は制限のもと使用可。
・効果が皮膚科学的に確証されていること。
・テストによる皮膚適合性の証明がなされていること。
・保存料は植物性原料より製造。
・エッセンシャルオイルは有機栽培のもの

NaTrue：
BDIH の自然化粧品の基準を設立した化粧品メーカー等から構成される団体。2008 年、新たに自然化粧品やオーガニックコスメの統一基準を作ろうとして組織された。（本部：ベルギー ブリュッセル）
オーガニック成分を記す指標として、アイテム別に「星マーク」制度を採用している。
★（ひとつ星） オーガニック成分70％未満
★★（二つ星） オーガニック成分70％以上95％未満
★★★（三つ星）オーガニック成分95％以上

（写真は、NBBA報告書より）

関連する投稿

• サロン・デ・エコ　美容室の環境活動　｜ NBBA
• ウエラ、シュワルツコフが退会　NBBA
• NBBA WEB サイトを全面改定

Comments