キューティクルが奏でる音で毛質を判定
Posted on | 12月 1, 2016 | No Comments
毛髪の表面はキューティクルに覆われている。キューティクルはザラザラした状態で、バイオリンの馬の毛の弦が音を奏でるように、キューティクルから音を採取する方法を日本ロレアルの研究者が開発した。
野村麻利子日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター研究員らによる「ソニフィケーション:髪の表面状態を音楽に変換して表現する方法(SONIFICATION : Translating the human hair surface state into sound) 」という研究で、毛髪表面の摩擦の微細な変化を高感度センサーで感知し、そのデータを特殊なソフトウェアを用いて音や音楽にリアルタイムに変換し、可聴化する技術。
この技術を活用すれば、キューティクルは毛の損傷などで変化するため、音によって髪の毛の状態がわかる、という。
今秋、米国フロリダ州オーランドで開催された第29回国際化粧品技術者大会(The 29th IFSCC Congress)で最も優れた基礎研究に与えられる「 IFSCC基礎研究賞 」を受賞した。
日本ロレアルでは、「この技術はサロンで施術するお客様に、施術前の毛髪の状態を5段階で評価し、トリートメントなどの施術後の修復の効果を、音楽を通して表現することができ、これまでお客様が感覚的に感じていた毛髪の状態をデータと音でよりわかりやすく実感することが可能となります。
今日、イノベーションは技術や機能だけではなく、消費者の感性に応えることがますます求められています。日本ロレアルでは、化粧品評価の場面において新しい消費者体験を提供するツールとして、2017年からサロンにこの技術を採用した機器を展開するほか、今後、肌状態やメイクアップなどへの応用や、新製品の効能効果を訴求する際のプロモーションなどに広く活用していく予定」としている。
(情報/ニュースリリース)
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