アデランス 経営不振で上場廃止めざす
Posted on | 10月 15, 2016 | No Comments
アデランスは2016年10月14日、投資ファンドのインテグラルの支援を受けると発表した。経営陣らによる自社株式の買い取り(MBO)を行い、東証一部から非上場化をめざす。主力の男性カツラの低迷があり、「現経営陣では、お客様を守る、従業員を守る、などの社会的な責任が果たせない」(アデランス)と判断したため。
現経営者の根本信男社長は創業者で、一旦は経営から退いたが、経営不振が続き、2011年に社長に復帰していた。2009年には、経営権を巡って米投資ファンドのスティール・パートナーズと対立したり、また当時のO社長に替えて外部から社長を招き、経営の立て直しを図った経緯があるが、経営回復には至らなかった。
現在、根本社長と津村佳宏副社長で合計50.1%の株式を保有しているが、MBO後も両者は大株主として経営再建に協力する、という。インテグラルは、スカイマーク、アパレルのヨウジヤマモトなどへの投資実績がある。MBOの実施会社は、インテグラルの100%子会社であるアドヒアレンスが行う。
非公開化することで、経営陣は経営改革に集中できるというメリットはあるが、男性カツラは、AGA(男性型脱毛症)治療薬や、発毛・育毛剤などの隣接市場との競争が激化、またレディスウイッグについては市場拡大は見込まれるものの競合他社との競争激化し、経営環境は厳しい。
なお、アデランスの発表によると、平成28年2月期の連結業績は、売上高は791億53百万円(前期比 3.2%増)だったものの、営業損失1億25百万円(前期は営業利益 28億80百万円)、経常損失5億48百万円(前期は経常利益59億97百万円)、当期純損失18億60百万円(前期は当期純利益50億75百万円)を計上するなど厳しい状況となっている。
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