「10年後には600店舗に」 吉原直樹アルテホールディングス会長語る
Posted on | 7月 2, 2016 | No Comments
ASH創業者の吉原直樹アルテホールディングス会長は2016年7月1日メディア懇談会を開き、生涯美容師として働ける職場づくりを踏まえた、同社の将来ビジョンを説明。現在の5ブランド276店舗を10年後には600店舗に拡大する、とした。
今年、アルテホールディングスが東証ジャスダックに上場して12年、ASHブランドの展開から20年、さらに吉原会長が還暦をむかえたことから、今後10年間の同社の取組みについて業界記者らに語ったもの。
貧富の格差が拡大し二極化が進む日本経済、美容師希望者の減少が進む一方、美容師免許を持つ潜在美容師が多数いる現状、また給与や社会保障など待遇面で見劣りする美容業界を踏まえ、吉原会長は、地域一番店を目指すASHブランドの強化と、伸びた髪を整えるというメンテナンス需要に対応したチョキペタサロンの拡大を示した。
チョキペタサロンは、カットとヘアカラーに特化した業態店で、20サロンを展開。カット1200円、ヘアカラー1800円。平均客単価は2000円という。
ASHブランドと関西圏で展開するニューヨーク・ニューヨークブランドは、クオリティをいま以上に高めてブランド力を強化する。青山などで営業する有名サロンは、技術・労働集約型でブランドを維持しているが、吉原会長は、同社の持つ組織力、総合的に網羅された経営資源をフル活用してブランドポジションを高める、としている。同社が国内で権利を持つパリのプランドサロン、コワファースト(COIFF 1 RST)については同社のプレステージサロンとして、ブランド展開する。
ブランドを高めるには、良質で均質な美容師を育成し、社内に囲い込むことが求められるが、美容師のワークライフバランスに配慮し、生涯美容師として働ける環境を整備することが重要になってくる。チョキペタサロンは、パート美容師を中心にした営業形態をとっており、美容師のライフステージでの勤務に適したサロンといえる。
そのチョキペタサロンは、カットとヘアカラーに特化した業態店で、QBハウスにみられるように今後ニーズの拡大が見込めることから展開をすすめた面もあるが、技術を絞り込むことによって、潜在美容師の再雇用につなげやすい、など今後、深刻になる美容師不足にも対応できる。
10年後の2026年には、
コワファースト100店舗
ASH160店舗
ニューヨーク・ニューヨーク40店舗
スタイルデザイナー150店舗
チョキペタ150店舗
合計600店舗を展開する。
多店舗展開の背景には、店舗の小型化戦略もある。ASHを立ち上げた当時は平均60坪以上の床面積だったが、現在は45坪。店舗を小さくすることで店舗効率が向上し機動的な経営が可能になる。またチョキペタサロンは15坪から20坪程度の店舗面積になる、という。
美容師の生涯生活設計を踏まえ、600店舗を展開することで、質・量を兼ね備えたリーディング・カンパニーとして美容業界を牽引していくことを目指す、と締めくくった。
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