アピアランスケアで期待される理美容の技術と知識
Posted on | 11月 7, 2014 | No Comments
医療現場ではいまアピアランスケアが注目されている。聞きなれない言葉だが、外見ケアと訳す。このアピアランスケアで理美容師さんの技術、知識が期待されている。
がん治療による脱毛は広く知られている。抗がん剤や放射線治療では脱毛以外にも皮膚に瘢痕が残ることもある。また顔面への皮膚移植で、色の違う部位の皮膚を移植された困った例もある。
この外見上の変化が患者にとっては苦痛に感じる。病気は治っても、外見上の問題で外出できない、人と会えないなどといった状態になる。
そんな患者の生活を支援するために2013年に誕生したのが「アピアランス支援センター」(国立がんセンター中央病院内)で、外見上の変化に対する患者の苦痛を和らげ、患者に必要な情報の提供を行なっている。
脱毛患者には帽子状の全頭ウイッグを提供したり、皮膚瘢痕には適切なメイクをしてあげるかアドバイスをいてあげる。放射線治療で脱毛が始まった患者へのヘアカット。そんな知識・技術が求められている。
最先端のヘアやメイクとは関係のない普通のものが患者さんからは喜ばれるらしい。
福祉美容の一つのジャンルといえるが、理美容の職域分野は広がりつつある。
また、ヘアメイクをすることで劇的に症状が回復する例が報告されていることから、今後は美容が医療に果たす効果のエビデンスが求められる。
(第14回日本美容福祉学会学術集会、野澤桂子国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター長の講演より)
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