価格に転嫁できない理美容業 販売価格動向調査
Posted on | 11月 4, 2014 | No Comments
日本政策金融公庫は景気動向調査として販売価格の動向について特別調査し、2014年10月30日発表した。生活衛生業10業種を調査したが、引き上げた企業数は理容業が20%で最下位、美容業は22%で9位だった。逆に引き下げた企業数は美容業が3.3%で9位、理容業は2.5%で8位だった。
仕入れ価格は理美容業の約半数が上昇したとしているが、価格に転嫁できない理美容業の状況が浮き彫りにされた。
価格を引き上げた企業は
2011年:4%
2012年:7%
2013年:7%
と推移してきたが、2014年は消費税増税があって33%に跳ね上がった。
アベノミクスによる円高の影響もあり、仕入れ原価、燃料費などの高騰を受けて、食肉・食鳥肉販売業は62%が引き上げた。これをトップに以下、映画館43%、公衆浴場42%、クリーニング40%と続く。公衆浴場、クリーニングは燃料代の値上がりの影響を受けた。
仕入れ価格の値上がりに関しては、理美容業も、理容業が51%、美容業が47%上昇したと回答している。しかし、逆に低下したと回答した企業も美容業が10%(1位)、理容業が7%(2位)と仕入れにも厳しくなっている。理美容業界全体が厳しい状況になっている、といえる。
映画館は仕入れ価格の上昇は34%と最下位で影響は軽微だったが、販売価格は43%(2位)
が値上げした。扱う商品(サービス)、競争環境の違いがあるが、理美容業も近隣の他店にはない独自サービス、メニューの提供が、厳しい時代を生き残るためには必要といえる。
【調査概要】
調査時期:2014年9月上旬
調査方法:郵送による
調査対象:生活衛生業3220企業(うち理容業365企業、美容業431企業)
タグ: 日本政策金融公庫, 景気動向調査